パフォーマンスが上がらなかったレディングとの一戦
薄暮の中で始まった試合は奇妙な一戦になった。
首位を独走するマンチェスター・ユナイテッドの相手は、降格圏に低迷する上、試合の5日前に監督を解任したばかりのレディング。試合開始の約3時間前には、2位で追走するマンチェスター・シティーがエバートンに完敗していた。
快勝でマンCとの勝ち点差を15に広げるお膳立ては見事に整っていた。しかし、結果は1-0の小差の勝利。ファーガソン監督も求めていたような試合でないことを率直に認めた。
「今季は大半の試合でいいプレーを見せてきた。しかし、今日のパフォーマンスは勝ち点15をリードするような内容ではなかった」
チームがリズムを欠いたのも無理はない。10日のFAカップ準々決勝のチェルシー戦から香川をはじめ、先発選手を8人も入れ替えてきた。フォーメーションもルーニーとファン・ペルシーを2トップにした4-4-2。
今となってはレトロな雰囲気も漂う布陣で始まったが、その後の90分間には3トップや4-2-3-1なども登場した。しかし、臨機応変というよりも機能しないチームへのてこ入れにしか見えなかった。とてもリーグを独走するチームのサッカーではなかったが、幸いにもゴールは早い時間帯に訪れた。
21分、DFファーディナンドが往年のリベロのように攻撃参加。レディングのペナルティーエリア近くまで持ち込むと、パスを受けたルーニーが相手DFに当てながらゴールを奪った。結果的に追加点は生まれなかったが、攻撃に全く迫力を欠くレディング相手では最少得点だけで十分だった。