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日本代表 12年前

本田抜きの日本代表。トップ下を務めるのは誰か?【ザックジャパンの課題を検証】

text by 河治良幸 photo by Kenzaburo Matsuoka

本田抜きのトップ下。中村と香川の違い

 “本田の代役不在”問題に1つの解答を見出したのが、同年10月のタジキスタン戦。4日前のベトナムとの親善試合で1年ぶりの復帰を果たした中村憲が、中盤で左の香川と見事なパス交換やコンビネーションを見せ、8-0の大勝に貢献したのだ。

 本人も「本田と同じ役割はできない」と認める様に相手のプレッシャーを個人で背負い、周囲にスペースを作るタイプではない。しかし、うまく動いてシンプルにボールを捌きながら、周りといい距離感を作れるため、パスワークがうまく機能すれば香川や清武の良さを引き出せる。

 ザッケローニ監督は「MFタイプで中盤にバランスをもたらしてくれる」と中村憲を評価する。不安は「(五輪代表の視察で見た時は)お世辞にも良いものとは言えないものだった」(ザッケローニ監督)、ヨルダンのキング・アブドゥラー国際競技場のピッチか。

 ヨルダンの選手は中東の中でも肉体的に強く、ホームで彼らの特徴を発揮してくるだろう。中村憲が凸凹のピッチでうまくボールをコントロールしながら、遠藤との共同作業で相手のプレッシャーを分散できるかがポイントだ。

 一方で、主に試合の途中からトップ下を担ってきた香川に関して、ザッケローニ監督は「よりセカンドトップに近い選手」と表現する。つまりは高い位置で得点に直結する仕事をする選手という評価だ。

 ラストパスのセンスは言わずもがな、絶妙な飛び出しから柔らかいファーストタッチ、正確なシュートでゴールを生み出せる。フィニッシュの感覚が繊細なため、不調に陥ると点が入らなくなる傾向はあるものの、3月2日にはアジア人として初めてプレミアリーグでハットトリックを達成するなど、登り調子にある様子だ。

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