近い将来、ブンデスリーガがヨーロッパ最高峰のリーグに!?
こうなると気になるのは、リーグランキングだ。現在は2007-2008シーズンから5シーズンまでのポイントを合算して順位を決めている(CLやELの結果をポイント化したもの。順位が高いほどCLとELに多くのチームを送り込める)。1位はイングランド(84.285ポイント)、2位はスペイン(83.900)、3位はドイツ(75.019)となっている。
ドイツは一昨季にイタリアを逆転し、今では15ポイント以上離している。むしろ、その上の2ヶ国までも抜かさんばかりの勢いだ。今季は、この原稿を書いている時点ではシャルケの結果はわからないが、CLのベスト8に2チームは進出することになる。一方のイングランドは0だ。
来季は今季のポイントを足し、07-08シーズンのポイントは消える。07-08、イングランドは17.875、ドイツは13.500。約4ポイントの差がなくなる。今季、ドイツ勢が優勝、あるいはベスト4に2チームが進出し、イングランドに5ポイント差をつければ逆転する可能性すらある(スペインを逆転するのは難しそうだが)。
ブンデスリーガは2000年にバイエルン・ミュンヘンがCLを制してからややヨーロッパの舞台では低迷してきた。だが、他国が過剰な投資で目先の勝利を目指すことに追従せず、各クラブには健全な経営を半ば強制し、力を蓄えてきた。今季バイエルンがハビ・マルティネスに40億円もの移籍金を使ったのは異例中の異例だ。
それが今まさに実を結ぼうとしている。ドイツはイタリアやスペインのように経済危機の影響を受けて一気に競争力を失うようなことがない。近年の強さは今後も長く続くだろう。
今、世界中のサッカーファンにとって最も人気のあるコンテンツはプレミアリーグだが、それがブンデスリーガに変わるかもしれない。そうなれば、放映権料は増加し、クラブは潤う。選手は皆、イングランドではなく必然的にドイツを目指すようになる。
近い将来、ヨーロッパのサッカーシーンはブンデスリーガの一強支配になるかもしれない。バイエルンが“予定通り”今日の試合に勝利すれば、その記念すべき第一歩となるはずだ。
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