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日韓16チームによる相互錬磨を通じ、大学サッカーのレベルアップを図る

text by ひぐらしひなつ photo by Masaru Goto

大学サッカーが求める選手像

──高校とJアカデミー、いずれから選手を獲得したいというのはあるんでしょうか。

「いや、特にないですね。それぞれのよさがあります。大きく二つに分けるとすれば、高校、とくに九州の高校の選手たちは、“柔”と“剛”で表すなら“剛”の方ですよね。ユースは“柔”といった感じで。あくまでも僕がいままで接してきたなかでの話ですが、ゲームの90分間の戦い方において、ユースの選手たちは『いまこういう状況だから、こういう時間帯だから、こうした方がいい』というあたりまで考えることのできる子が多い。

 高校はつねに100%全力を出す選手が多い印象です。しかしピッチ外の部分、たとえば物を大切にするとか、時間を守るといったことだとかは、高校サッカー部出身の選手の方が、きちんとできる傾向が強いですね。もちろんユース出身でもできる選手はできるんですが、傾向としてはある気がします」

──大学側が選手を獲得するにあたっての情報収集はどう行われているのでしょうか。ユース年代の視察とか、指導者間での情報交換など。

「プリンスリーグなどはしばしば見に行ってます。オファーするときは指導者を通じてです。昨季も、とあるチームに、ゲームをつくれてコントロールできる選手を見つけて『是非ほしい』と話をしたんですが、残念ながらその選手は関西の大学に進学を希望しており、獲得には至りませんでした。手当たり次第に声をかけるわけにもいかないので、フラれてしまうと諦めざるを得ません」

──選手にオファーを出す具体的な基準は。

「基本的には好みの問題だと思います。指揮官は、自分の描いている設計図に対して、この選手をここに置いたらどうだろうという感じで見ている。このポジションにはこういう選手がいてほしいという理想があって、それに近い選手を獲得したいわけです。だからたとえば、ユース年代で所属しているチームが強かろうが弱かろうが、個で見ます。もっとも、指導者によって見え方はそれぞれ違うと思いますが。現在所属しているチームでは違うスタイルでやっているけれども、自分のチームに入れればまた違う感じでフィットすると想定することも、もちろんします」

──もっと年代の縦のつながりが濃密になればいいと感じることもあるのですが。

「指導者間では、試合会場で会って話をするだけでなく、食事に行ったりすることもあります。でも、一緒に指導者研修を行っているとか、定期的に共通のテーマで合同トレーニングをするとかいうところまではないですね。練習試合くらいならあるんですが」

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