狙い目は裏のスペースか
その他にも、トップ下の位置から攻撃を指揮し、左足から鋭いパスを出す20番のマケドニア人マリオ、強靭なフィジカルを活かして中盤のつぶし役となる一方、チャンスとなれば自ら攻め上がって得点に絡む21番のコートジボワール人ダグノ、さらに今年加入したオーストリア代表歴を持つ9番のリンツといった力のある外国人選手が控えている。
また、キャプテンを務めるダトッサコンや、小柄ながら当たりに強く、ドリブルの切れ味、シュート力もある16番のジャッガパンといった中盤のタイ代表組もあなどれない。気がかりなのはタイ代表で安定感抜群のGK・ガウィンが足の骨折で長期離脱中なことか。
浦和が付け入るなら、まず裏のスペースに対するDFラインの対応があまり良くない点だろう。押し上げる割にはセンター、サイドバック共に細かいラインの統率、互いのカバーが十分機能しているわけではなく、裏へ簡単にフリーで抜け出されてピンチを招くことがある。
そこを興梠や柏木、原口らが揺さぶれば得点のチャンスはあるはずだ。また、中盤のプレッシャーも素早いパス回しにはついてこられないことがあり、Jリーグのスピードなら十分チャンスを作れるだろう。
ムアントンはACLのグループリーグ初戦ではホームに韓国の全北現代モータースを迎え、常に先行されながら2-2の引き分けに持ち込んだ。3月2日に開幕したリーグ戦では2連勝、テラシルも2試合連続ゴールと状態は良い。
12日の浦和戦に向けて週末のリーグ戦を金曜日(8日)に前倒しして行うなど、コンディション調整にも余念はない。知り合いのムアントン・サポーターは「接戦になると思うけど、アウェイの浦和戦はムアントンが勝ち点3を取るんじゃないかな」と語っていた。浦和にはぜひ、元アジア王者の実力を見せつけてほしい。
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