サポーターによる支援物資の集積
震災から10日目、横浜マリノス株式会社が本社を構えるマリノスタウンのクラブハウスにて、広く横浜市民や近隣の人々に呼びかけた支援物資の集積が、まずは行われた。SNSが「できること」を模索し始めてから、マリノスのフロントや横浜市議会議員などとの連携にかかった時間は極めて短かった。
NPOハマトラがWEBなどで呼びかけた情報を見て、マリノスサポーターのみならず、地域住民の方々、トリコロールカラー以外の関東圏のJクラブサポーター、町田や清水サポーター、日本代表の若手サポーター、その他の様々なカラーのクラブチームサポーターも、マリノスタウンに集まった。
サポーターの物資集積の場にやってきた選手もいた。近隣の高層マンションに住む中村俊輔が、クラブハウス前にできた突然の人だかりをベランダから見つけ、訝しく思いクラブに問い合わせて物資集積の話を知り、自分の車に積めるだけの支援物資を近所で買いつけて物資集積場所までやってきたのだ。物資の仕分け作業場所であるクラブハウスの駐車場で、支援物資の積み下ろしをする中村俊輔に、一緒に作業をしていたほとんどのサポーターは気づくことがなかった。
物資は当初の予想を超えた数が集められた。物資の輸送と避難所への配布は、まだ行政が組織的な活動を行えていないタイミングであったが、某政党の市議のネットワークと人脈を使った。いろいろなNGOやNPOの動き出しと比べても、この物資支援は迅速な部類に入る。
こういう緊急時のマンパワーの動員力、また機能フォーメーションの編成の仕方は、本来サポーターにはお手の物である。ハマトラだからできたというものでもないだろうし、NPOだからというわけでもない。やろうと思えば、どこのサポーターでもやれたはずだ。現に、ハマトラに続いて、数多くのサポーターグループが同じような物資支援活動を行っている。