攻撃が停滞した要因はメッシのポジショニングにあり
攻撃面では中盤から前にボールを運ぶためのアイデアに乏しかったことが挙げられる。例えばメッシがCFの位置から引いてきてパスを受けたとき、左ウィングのビジャと右ウィングのペドロにはそれぞれ相手サイドバックがマークについている。
この日はイニエスタも変化を付けられなかった【写真:山田一仁】
ビジャやペドロが中央に入ってクサビのパスを受けたり、2列目のイニエスタやチアゴが飛び出していったりといった流動性があればよかったが、クラシコに関して言えば、そうしたシーンはあまり見られなかった。
また、中盤の要・シャビがいないこともあって、メッシが必要以上に中盤に下がってきたことも攻撃面の停滞を生んだ要因と言えるだろう。メッシがCBとボランチの間ではなく、ボランチの前のスペースでパスを受けることで、相手に守りやすくさせてしまった感は否めない。
来週のミランとのチャンピオンズリーグ 決勝トーナメント1回戦2ndレグでも、同様の問題は出てくるだろう。果たして、ロウロ監督代行は修正して臨むことができるのか。
一方で、こうも思う。グアルディオラ監督だったら、切り替えの遅さや、メッシが下がり過ぎていることを感じたら試合中にすぐ修正していたのではないか。そもそも、そのような現象が起こらないようにマネージメントしていたのではないか。
どんなに偉大なチームであっても、いつかは終わるときがくる。今回の一連の敗戦は、バルセロナにも「そのとき」が来ていることを予感させるのに十分なものだった。
【了】