バルサはなぜ簡単にカウンターを許したのか?
クラシコを制したのはレアル・マドリーだった。国王杯の準決勝2ndレグ、チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦の2ndレグとテンションの高い試合に挟まれる、難しい状況でのクラシコだったが、フレッシュな選手を先発起用し、後半にクリスチアーノ・ロナウドを投入するモウリーニョ監督の采配が当たった。
心配なのはバルセロナのほうだ。チャンピオンズリーグのミラン戦といい、クラシコ2連戦といい、“バルサ対策”を打ち破れず、相手のカウンターにやられてしまっている。この数シーズン、「サッカーを変えた」といわれるほどの強さを誇っていたスーパーチームに何が起こっているのか。
まずは守備面。バルセロナのディフェンスは高い位置からのプレスが基本だ。ボールを回している分、相手を押し込んだ状態になるので、相手ボールになると自陣には広いスペースがある。ここでボールをつながれたら一気にカウンターのピンチになる。
そこでバルセロナは相手にボールが渡った瞬間、一気にプレスをかけて囲い込んで奪うか、精度の低いパスを出させてカットしてしまう。パス回しの技術と高い位置からのプレス。この2つはボールポゼッションにおける両輪と言えるものだ。
しかし、クラシコではボールを失ってからディフェンスから切り替えが遅く、あっさりボールを運ばれてしまうことが多かった。カウンターをさせてしまうと、バルセロナにとって不都合なことが起こりやすくなる。セットプレーだ。
バルセロナには小さくて軽い選手が多いので、体格差が如実に表れるセットプレーのマークに向かない。そのため、できるだけ高い位置でボールを奪うことが重要になる。しかし、今回のクラシコでは自陣ペナルティーエリアまで攻め込まれ、シュートやクロスを防いだ結果、コーナーキックを与える回数が増えてしまった。