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Jリーグ 12年前

規格外クレオがついに爆発。柏レイソルが二冠へ向け順調な滑り出し

text by 植田路生

ジョルジ・ワグネルの絶妙なポジショニング


攻撃の中心、レアンドロ・ドミンゲス【写真:松岡健三郎】

 柏のフォーメーションは、キャンプで取り組んできた3-5-2でも、昨季まで一貫してきた4-4-2でもなかった。今や現代サッカーにおいてトレンドとなりつつある4-2-3-1だ。

 1トップにクレオを置き、「3」には左からジョルジ・ワグネル、レアンドロ・ドミンゲス、工藤壮人。だが、前線の4人はかなり流動的だ。クレオは前線に張ってポストプレーをするだけでなく、左右に流れて積極的に組み立てにも参加する。その時、中に入るのは工藤だ。日本代表で言えば、岡崎のような役割を工藤が担っていた。

 レアンドロは昨季同様、いい意味で守備を“サボる”。前線に攻め残りすることで、カウンターの際にはクレオや工藤とパス交換し、素早くチャンスを演出。レアンドロは後ろからボールを受けてもすぐに前を向くことができる。前を向いた瞬間に前線の選手が走り出し、これがカウンターの鋭さを生んでいる。

 そして、何より特徴的だったのはジョルジ・ワグネルのポジショニングだ。昨季まではどんな試合でも工藤やレアンドロと共に積極的に前線に上がっていた。ポゼッションを高め、攻撃に迫力をもたせるには十分だったが、その分、カウンターを浴びることも多かった。

 ジョルジがいつも戻れるのであれば問題ないが、35歳となり、そこまでのスタミナはない。この日は上がれる時は、もちろん前線に顔を出していたが、自重すべきタイミングではあまり上がらず、相手のカウンターに備えていた。

 これが功を奏した。大谷秀和が「川崎はポゼッションとは言うが、最後はレナトの個人技。そこを止めればいい」と試合後に語っていたように、中村憲剛が不在の川崎にあって、唯一、チャンスの匂いがあったのがレナトのドリブル。ジョルジが後ろにポジショニングすることで、サイドバックの増嶋竜也と共に“サンド”し、止めることができたのだ。

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