徐々に調子を上げてきたクレオ
日立柏サッカー場にクレオのチャントが何度も響き渡る。それもそのはず、1日遅れの3日に行われた柏レイソル対川崎フロンターレのJ1開幕戦で、柏はクレオの2得点、工藤壮人のゴールで3-1と快勝した。
広州恒大から鳴り物入りで加入したFWのクレオだったが、コンディション不良もあり、ちばぎんカップ、ゼロックス杯と本来の動きとはほど遠かった。ボールは収まらず、シュート精度も低い、おまけに90分持つスタミナもなかった。
2月中は記者から何度も「コンディションは?」と質問されるほどだった。本人はそのたびに「今は調整段階」と答え、またネルシーニョ監督も「徐々に良くなる」とピッチで結果を出せないFWの力を信じて起用し続けた。
メディアの心配をよそに、本人はだんだんと調子を上げ、水曜日のACLでは決勝点。そしてこの日は2得点と、さすがの調整力を発揮した。2月に見られたもっさりと動く様子はない。本人は否定したが、ゼロックス杯も上手く調整に使った印象だ。
クレオのチャントには「クレオが柏を熱くする」という歌詞がある。加入からやや時間はかかったが、歌詞の通り熱狂的な柏サポーターのボルテージをさらに上げたのは間違いない。
だが、この日快勝した理由は、クレオの調整が進んだからだけではない。ACLとリーグの二冠を目指す柏がチームとしての強さを見せつけたからだ。
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