昇格を争うJ2の戦い
――J2の昇格候補となるとどこになるんでしょう?
「やはり4つが中心になると思いますよ。ガンバ、神戸、千葉、京都。千葉なんかは山口、兵藤、谷澤などいい選手が揃っていますよ」
――去年は横浜FCがプレーオフに進出し、J1から降格したのは札幌です。
「札幌は厳しい戦いを強いられそうですね。昇格候補と比べると、人件費は半分くらい。あとJ2で資金力があると言ったら徳島くらいですか。あそこは選手が揃っている。昇格候補の2番手でしょう」
――ヴェルディはどうですか?
「三浦泰年監督になって期待感はあります。J2の経験があるので。選手で言えば西はいい選手ですよ。90分持つかどうかというスタミナの問題はあるけども、J1で十分にやれる選手ですよ」
――こう見ていくと、昇格争いは数チームに限られるような気がします。でも、多くのチームが昇格を目指すと言っています。
「日本ってそうだよね。ヨーロッパだと、そういう非現実的なことは絶対言わないですよね。J2は戦力差もあるわけだし、ある程度現実を見ることも重要だと思いますけどね」
――Jの場合、シーズン中に主力が海外へ移籍してしまうこともしばしばです。
「0円で移籍しちゃうからねぇ。今はクラブより選手の方が強いですよ。ヨーロッパのように契約延長を無理に迫ることはできないですよね。スナイデルのように一時的に干したりとかも難しい。俺も改善すべきことだと思うけど、それよりは0円で移籍できるからウチに来ないか、と誘うクラブが多いようです」
――そうなると、短期的には順位は上がるかもしれませんが、長期的には苦しくなってくるように感じます。
「そう。だからこそ移籍金をきちんと貰うことが大事。その辺、札幌はダヴィやダニルソンなど上手くやりくりしていましたよね。だけど0円を認めてしまうと、いい選手を発掘して売るというオランダやブラジルのようないい循環が成り立たない」
――その問題を防ぐにはどうしたらいいんでしょう?
「やはり0円で移籍しないように上手に契約していくことですね。あと、ヨーロッパのように契約が上手くいかなければ多少試合に出さない、ということも場合によっては必要かもしれません」
――試合に出られなければ、代表にも選ばれにくくなるかもしれません。
「そういう一面もありますね」