今季はどんなシーズンが予想されるか
――17位は?
「湘南。ただ補強は苦しいですね。去年はもちろん大分と共にサプライズを起こしました。チームとしての団結力は見事でしたが、J2での勝ちパターンがJ1でどこまでできるでしょうか」
――最後の大分は?
「大分は昇格するために割り切ってサッカーやっていたと思います。かつては借金もあって、選手層も薄い中で田坂監督もそこに徹した印象です。それは決して悪いことではありません。ただJ1でやっていくのは簡単ではないです。でもやり方次第ではトスのようなサプライズもあるわけですからね。森島がどこまでやれるのか、彼にとってはやりがいのあるシーズンになると思います」
――総括すると今季はどんなシーズンになりそうですか?
「今年は昇格してきたチームは元々昇格候補ではなかったこともあり、例年より戦力差はあるかもしれません。ただ、最初に言いましたけど、予想は難しいですよ(笑)。ヨーロッパのようにヒエラルキーのあるリーグではありませんので。いい日本人は海外へ行く、外国人でもトップクラスは来ない。神戸は去年、比較的計算しやすそうな日本人選手を補強しましたが、降格。ガンバも力があるのに落ちてしまった。世界でも類を見ないリーグですよ」
――戦力が拮抗していることに関してはどうお考えですか?
「いいと思いますよ。見る側としては面白いでしょうし。今スペインが持ち上げられる風潮はあり、攻撃的なスタイルという意味ではいいですが、リーガ・エスパニョーラはリーグとしたら一番面白くないですよ。バルセロナとレアル・マドリーが抜きん出た存在で優勝争いはその2チームでしかありませんから。それに比べるとJリーグは勝ち点差が非常に少ない。最後の1試合で大きく順位が変わることもしばしばです。ACLがあり上位チームははじめ苦しみ、昇格チームはいつも粘り強く戦っています。4月やシーズン後半までは相当混戦になると思いますよ」
――ガンバやヴィッセルが降格してしまうくらいですからね。
「ガンバは昨季リーグ1位の得点だったのに落ちてしまった。もちろん失点が多いからなんですが、守備がそこそこ安定していれば実はそこまで得点はなくとも順位は上げられる。ガンバは67点65失点で17位でしたが、例えば9位の清水は39得点40失点、15位の新潟は29得点34失点」
――神戸は西野さんを招聘しましたが、三木谷浩史会長から電話で毎試合プレッシャーをかけられていたそうです。
「俺のときはなかったけどね。やっぱりお金をかけて上位を狙うときには、そうやってするんじゃないかな」