補強面と総合力それぞれの診断結果
スタイルの継続を望む安間監督はまず昨季の主力が残留することを希望していたが、それが叶った形だ。最終ラインの福田とボランチの加藤以外はほぼ残留。この2年のベースを崩さないまま、新戦力を迎え入れることに成功した。
ボランチにはU22韓国代表でポテンシャル十分のレフティー、キム・ヨングンが加入。同じく韓国の年代別代表に選ばれてきたソ・ヨンドクに頼り勝ちだった中盤の構成に厚みをもたらすだろう。
福田が抜けた最終ラインには群馬から経験豊富な御厨、セレッソ大阪で経験を積んでレンタルバックした舩津の存在も大きい。
前線には京都U18出身の三根が出場機会を求めて京都から加入。190センチと大型ながら足下もあるストライカーでポテンシャルを感じさせる選手。今季初となるトレーニングマッチでは、いきなりハットトリックも決めた。J2で経験を試合出場を重ねれば大化けもある注目の若手だ。
この2年で積み上げてきた安間スタイルは、何よりチーム全体としてよく走り、誰もがハードワークを厭わないもので、ある意味、清々しさすら感じさせるものだった。チームがうまく機能したときにはJ2上位にも肉薄する底力も感じさせた。
そのチームのベースとなる黒部や朝日というベテラン組も健在であり、そこにキム・ヨングンや三根といったゴールも奪えるポテンシャルの高い選手たちを迎え入れられたことは大きな前進だ。安間監督自身、今季の陣容には手応えを感じているのではないだろうか。すでに確かなベースがあるチームであり、キム・ヨングンや御厨といった新戦力の融合も問題はなさそう。内容に加えて、しっかりと結果ももってこられる陣容になりつつある。
昨季つまづいた二の舞を踏まずに、まずは序盤を乗り切ることが肝要。継続性のあるチームなので、安定した戦いができれば中位以上の成績は十二分に可能だろう。(※それぞれA~Eランクで診断)
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