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【秋春制を考える】原博実技術委員長に聞く日本サッカーの強化ビジョン(後編)

text by 西部謙司 photo by editorial staff

ザッケローニも日本人は器用だと言っている


【写真:編集部】

――ところで代表チームの話ですが、ザッケローニ監督が来て、変わったことは何でしょう。

「監督が変われば、選手も刺激を受けます。彼は日本人に合っている感じがしますね。接し方も含めて。怒鳴ったりしないし、かといって何も言わないわけでもない。日本人の真面目さという点では、逆に彼やコーチングスタッフのリズムに合っている気がします。バランス感覚が良くて、近すぎず遠すぎず。ピッチの練習では細かい要求も出しますけど、試合では最終的に選手に任せたりとか」

――交渉時にザッケローニ監督に会ったときの印象と、実際に来てみての違いはありましたか?

「ありませんでしたね。交渉のときに、日本の日程についても説明して、おかしいと思うかもしれないけど、この中でやってほしいと話しています。ところが、実際に来てみると、こんなのダメだろと言い出す人もけっこういるんですよ。でも、ザッケローニはそうではなかったです。会って、いろいろと話したときの反応が良かったし、それは日本に来ても変わりません」

――監督はGMが知っている人を呼ぶことが多いわけですが、全く知らない人と交渉することもある。そんなとき、結局は会ったときの第一印象が大きいと聞きます。

「理屈はないんですよね。ただ、彼は日本に行きたいとすぐに言ったので、隠れて呼んだんですよ。そのときに、細かいこともいろいろ話し合ったのですが、印象が良かった」

――他にも会ってますけど、そちらの印象は?

「皆、良かったですよ。いい人しか会ってないんで(笑)。ただ、本人は良くてもマネージャーが出てくると違うということも。その点は、ザッケローニさんは問題なかった。皆さん、それぞれ他にもオファーがある人ですから、日本がファーストチョイスではない。だから交渉も余裕がある。まあタイミングもありますね。運が良かった」

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