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【秋春制を考える】原博実技術委員長に聞く日本サッカーの強化ビジョン(後編)

text by 西部謙司 photo by editorial staff

日本サッカーが置かれている状況は素晴らしい

――いままで、議論してても話が進んでなかったですよね。

「先送りですね」

――アクションを起こすところまで、どうやって持っていくんですか?

「正直、いまだからやれると思ってるんですよ」

――状況は素晴らしい。

「女子がW杯優勝して、U-17もベスト8に入った、アジアカップで優勝した。こういうタイミングだから言いやすいというのはあります。いましかないんです。もうワンランク上がるための議論をタブーなくやるチャンスだと。世界のトップ10を狙うには、国内にそれだけの基盤がないと難しいですよ」

――国会なら多数決で法案が決まる。サッカー界はどうやって決まるんですか?

「技術委員会としては、日本サッカーのレベルアップのためにスケジュールをこうすべきだと発言していくこと。これが第一だと思います。スポンサーさんとか放映権とかがあって実現が難しいというのはありますけど、まず発信していくことが大事かな。水曜日に国際試合があるときは、Jリーグは金曜日にしてくれ、少なくとも土曜日のナイターまでにとか。そのような話ならJリーグもスポンサーさんと話をしてくれるでしょうから」

――でも、これまでも発信はしていたんですよね?

「してたよね」

――何で止まっちゃってたんですか?

「何でだろう……」

――提案しても、そこを突破しないと。

「だから、チェアマンや会長が、世界のカレンダーと照らし合わせると、こういうふうにした方がメリットがあると説明する。まず内部にしっかり説明できるように持っていくことかな」

――サッカーの質を上げるメリットをどう説明するか。

「質を上げれば、お客さんも増えて、最終的にはスポンサーもついてくると思ってます。外国から見れば、日本はめざましい成長をしているけれども、さらにもっと質を上げていくことが大事。やるしかないです」

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