補強面と総合力それぞれの診断結果
群馬で絶対的な存在感を放っていた松下と熊林の退団は痛いが、登録名称といい、チームを刷新するには絶好のチャンスとも言える。
松下のボランチの後釜には、山形から中盤でのバランス感覚に長ける永田、富山から若手の加藤を獲得。加藤は長短のパスにセンスを見せる選手で、松下の後継とはいかないまでも、櫻田らとともに連携を深めてまずはしっかりゲームを作りたい。
前線には広島から技術と強さを備えるアタッカーの平繁、経験豊富で決定力に優れるエデル、千葉や甲府で活躍した青木を迎え入れ、層を厚くした印象だ。
DFラインには夛田、増田、ジュニオール・アウべスといった即戦力も加入。ただし、新加入選手が各ポジションの軸となり、新たな3-4-3システムを導入することが予想されるだけに、序盤は連携面に苦しみそうだ。秋葉新監督の手腕次第といったところだろう。
前線に平繁や青木、エデルといった得点力のある選手たちを獲得し、クラブとしてできる限りのテコ入れはできたようだ。だが、絶対的存在だった松下が退団したことでチームは核を失ったことも事実。スタメン候補の顔ぶれも刷新され、まったくの新チームとしてスタートすると見ていい。
となると心配なのは連携面。1月中だったとはいえ、対戦した栃木SC戦では大量7失点と、現時点でのチーム力の差を見せ付けられる結果に。新加入組の連携面もまだまだといった印象だった。21日に行われた東洋大学とのトレーニングマッチでも0対3と敗北しており、チームづくりに苦慮している様子が覗える。
ただ24日に行われたFC東京とのプレシーズンマッチでは0-1と敗れたものの、前半はペースを握る試合展開となり、徐々に新しいスタイルが浸透しているのを感じさせた。サイドの小柳、夛田が運動量豊富に上下動するアグレッシブなサッカーは、連携面が整えば面白い存在になる。
開幕戦はアウェイでの北関東ダービー・水戸戦だけに、ここで水戸を叩き、勝利とともに自信を深めて今季をスタートしたいところだろう。(※それぞれA~Eランクで診断)
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