昨季8ゴールを挙げた岡本は鳥取に、中盤の要として機能したロメロ・フランクは山形に、元日本代表の右サイドバック市川は地元の藤枝MYFCへの移籍した。
だが、その穴をピンポイントで埋める補強に成功。前線には横浜FCからスピードとアグレッシブさが売りの難波、各年代で代表に選出されてきた司令塔タイプの小暮、明るいキャラクターながらピッチ上ではファイターとなる近藤を右サイドバックに迎え入れた。
センターバックに甲府から冨田が加入している点も見逃せない。鹿島とのTMでは、橋本のボランチ起用を試みて、一定の成果を出している。過去2年でできたベースにマッチする即戦力の獲得に成功したといえる。
流出したポジションには穴を埋めるべく即戦力が加わっており、全体のチーム力はまったく落ちていないといえる。鈴木隆、橋本、小澤ら主力は残留しており、柱谷体制3年目の継続性を加味すれば、選手層はやや心もとないものの、今季は昨季以上の飛躍、そしてプレーオフ圏内を見据えた戦いも十分に可能だろう。
2月に入ってからのトレーニングマッチではJ1勢相手に拮抗した戦いができており、恒例の鹿島とのプレシーズンマッチでは9年目にして初めて2-2と引き分けた。ロメロ・フランクが抜けたボランチの組み合わせは頭の痛いところだが、橋本のボランチ起用が可能となれば、サイドアタッカーには人材を抱えるだけに、貴重なオプションとなりそうだ。
あとは望むべくはフィニッシュの強さ。今季も鈴木隆の絶対的な存在感は揺らがないと考えられるだけに、その周りで仕事をすることになる難波に掛かる期待は大きい。明治大から加入した山村も楽しみな存在だ。(※それぞれA~Eランクで診断)
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