スケールダウンしたミランに勝ち目はあるか?
20日、昨日に続いてチャンピオンズリーグのベスト16の2試合が行われる。ミラン対バルセロナ、ガラタサライ対シャルケだ。日本代表・内田篤人はケガのため欠場が濃厚だが、注目の2試合であることに間違いはない。
まずはミラン対バルセロナの賭け率から見ていこう。bwinではミランの勝ちが6.50、引き分けが4.50、バルセロナの勝ちが1.45(午後5時現在)。ウィリアムヒルでは、7.00、3.75、1.53と、ミランがホームであるにもかかわらず、圧倒的に不利と見られている。
バルセロナはチャンピオンズリーグの優勝候補。試合を優位に進めるのは間違いないが、昨季はミランが粘りを見せ、グループステージとベスト8で2つのドローを得ている(4試合で2分2敗)。ここまで差が開いてしまったのは、バルセロナが戦力を維持する一方でミランがタレントの質の部分で大きくスケールダウンしてしまったからだ。
昨季からミランはネスタ、ザンブロッタ、チアゴ・シウバ、ファン・ボメル、ガットゥーゾ、セードルフ、パト、カッサーノ、イブラヒモビッチらを放出。世代交代した面もあるが、チアゴ・シウバやイブラヒモビッチなど資金難により手放してしまった。リーグ戦でもユベントスに大きく水を開けられ(勝ち点差11の3位)、厳しい戦いが続いている。
例えばセルティックのようにボール保持をある程度放棄して強固なブロックをつくる策もなくはない。エル・シャーラウィとニアングが快足を飛ばせばカウンターでのチャンスも演出できるだろう。
ただ、今のミランに守り切れるだけの質はない。ディフェンスラインで計算できるのはメクセスくらい。不安定な守備陣では、バルセロナの攻撃を跳ね返すのは難しい。亀のように閉じこもることが、自分たちの首を絞めることにもなりかねない。
アッレグリは果たしてバルセロナにどう立ち向かうのか。不利な状況を幾度も反転させてきた智将の決断に注目したい。