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金崎夢生、“殊勲のデビュー戦”に見る戦術効果を徹底分析

text by 河治良幸 photo by Ryota Harada

狙いのある正確なパスワーク

 Jリーグではそれほどフォーカスされなかったが、ニュルンベルクの中で目立っていたのは正確なパス。しかも安全に捌くだけでなく狙いをもって、流れの中で生じるスペースに動く味方をうまく活かしていた。

 この31分間の中でも数多くのパスを繰り出したが、相手選手にカットされたのは大きなサイドチェンジの一度のみ。終盤に差し掛かり、ハノーファーの選手たちが疲れてきていたにせよ、幅広く動きながら、正確なトラップからしっかりと受け手に通していた。

 64分の場面ではバイタルエリアでルーズボールを拾ったところから、2人の守備者を引き付け、ちょうど空いたスペースに入って来るフォイルナーに正確なインサイドパスを出し、惜しいミドルシュートを演出した。

 ニュルンベルクにおいて、相手のプレッシャーがあるエリアで正確なパスを出せるのは清武と同じく途中出場したマクぐらいだったが、金崎が入ることで安定したパスのラインが出来やすくなる。

 また、金崎はためを作って周りに生じたスペースに出すこともできるため、いくつかの選択肢からベターなパスを出せる。コンビネーションが向上すればニュルンベルクに欠けていた流動的な崩しも発生してきそうだ。

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