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インタビュー『高橋秀人、サッカーを探求する』(前編)

text by 西部謙司 photo by Kenzaburo Matsuoka

ボランチとしての長所と課題

――セントラルMFとボランチの違いは?

高橋 例えば、3-4-3の中央のMFは、2人でかなり広いスペースを担当します。決定的なパスを出すような能力も要求されます。ザッケローニ監督の3-4-3だと、FWのサイドはウイング的に開いているので、中央のMFはまかなうスペースが大きい。アーセナルの4-4-2でパトリック・ビエラがセントラルMFと言われていましたけど、僕はそっちじゃなくて、アンカーのほう。

――セルヒオ・ブスケスのほうですね。では、ボランチとしての自分の長所は何でしょうか。

高橋 4バックの前で縦やバイタルへの進入をさせない切り方や、センターバックが前に出て行ったときにスペースを埋めるなど、相手をペナルティーエリアへ進入させない守備に関しては譲れない部分です。大熊監督も、そこを買って使ってくれたので。

――課題は?

高橋 代表でヤットさん(遠藤保仁)、長谷部(誠)さん、細貝(萌)さんを見ていて、ボールを持って何かを作り出せるMFなんですが、僕は自分が何かするよりも味方が上がる時間を作ったりするタイプ。決定的なパスやドリブルは持ってない。はたいて、はたいて、シンプルな持ち方です。それが僕の長所でもあるのですが、チャレンジしたいという気持ちもあります。

 ヤットさんは、ファーストタッチでちょっと角度を変えてスルーパスを出したりします。見たものを具現化できるようにしたいので、ミスをしてもトライしたい気持ちはあります。ただ、僕はセーフティーなところにパスを出すスタイルで、それはFC東京とも合っている。パスをつないで、多くの選手が連動して、相手の隙を作っていくやり方なので、僕がパスの出し手という感じにはなっていません。

【後編に続く】

初出:サッカー批評issue60

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