補強面と総合力それぞれの診断結果
実に退団者は19人。「刷新」という言葉が見事に当てはまる今オフの動きだった。2年連続二桁得点で昨季は18ゴールを挙げた阿部が海外へ移籍。さらに土屋、梶川、高橋、和田といった昨季の主力組もこぞって退団。新たに17人が加入することになっただけに、まったくの新チームという陣容だ。
最大の補強は三浦新監督だろう。ギラヴァンツ北九州でアグレッシブな攻撃サッカーを展開し、一定の成果をあげたが、近い将来J1へ昇格できないクラブ側の事情などもあり退団。北九州時代の教え子たちを6人引き連れての古巣復帰となった。
その他目立った動きは、東京ヴェルディの内部昇格組が6人。昨季栃木戦でハットトリックを記録した中島翔哉は主力への成長に期待がかかる。さらに若手が大半を占めるチームにあってベテランの高原直泰は再起を誓う1年となる。
これまで上位をキープをしてきた東京ヴェルディも昨季はプレーオフ進出すら逃す7位でフィニッシュ。19人が退団するなど大幅に血を入れ替えて、まったくの新チームとして船出する1年となる。
全体に経験値の少ない若手中心のメンバー構成が予想されるだけにチーム力低下は否めない。三浦新監督の手腕の見せどころだろう。とはいえ、北九州では他クラブで解雇された選手たちをうまく再生し、チームとして戦える集団へ生まれ変わらせた実績があるだけに十分に期待はできる。
血は入れ替わろうとも東京ヴェルディに流れる伝統のスタイルというものは脈々と引き継がれるもの。そのヴェルディに未だ残るものに、指揮官のパスサッカーを十分に理解した北九州組が融合できれば、今季のJ2をかき回す存在になる可能性は十分に秘めている。(※それぞれA~Eランクで診断)
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