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長友佑都 12年前

長友佑都はなぜインテルで起用され続けるのか? ~キエーボ戦で見せたインテリジェンス~

text by 神尾光臣 photo by Kazuhito Yamada

完全復調の長友。冴え渡るインテリジェンス


安定感のあるプレーを見せた長友【写真:山田一仁】

 33分にも決定機を得た長友。結局得点こそならなかったが、素晴らしい運動量と質の高いプレーを披露。キエーボがサイドに人を張りつけなかったことも幸いしていた部分はあるが、逆に言えば戦術的に”フタ”をされない限りは、相手を走力で押し込んでしまう力があるということだ。

 全体の運動量が落ちた後半の20分過ぎからキレが増すのは、チームのバランスが取れた中で本人がいいプレーをしている証拠であり、調子は戻ったと言っても良い。

 もう一つこの日の大きなトピックは、左サイドバックで攻守ともに安定したプレーを見せたことだ。3バックの導入に伴い、10メートル前にポジションを上げられたウイングバックでも攻撃力を発揮していて良かったのだが、ちゃんと本職のポジションに戻れば攻守のバランスも取れる。

 もちろんこれは、長友のオーバーラップの度にガルガーノが気の効いたカバーリングをしてくれていたおかげでもあるが、戦術上の要求に対応出来るインテリジェンスもさすがだ。

 クズマノビッチの補強により、ストラマッチョーニ監督は今後も4-3-3を中心にする可能性を示唆している。となれば今後長友のポジションは左サイドバックになることが濃厚だが、安定感をアピール出来たことは良かった。

 出場停止のグアリンや新戦力のコバチッチ(この日は故障で欠場)が3MFの一角に入るとまた役割は変わるのかもしれないが、ウイングバック”修行”で攻撃力を磨いた長友のプレーが、サイドバックとしてどう厚みを増して行くのか。興味は尽きない。

【了】

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