敵将も舌を巻く長友の積極プレー
1ヶ月近く勝ち星がなく、しかも前節のシエナ戦は惨敗。主力は誰も温存させることが出来ない状況の中にあって、代表戦から木曜日戻ったばかりの長友も先発出場した。
「選手それぞれに合わせた調整メニューを課している。ユウトは木曜午後に戻り、別メニューの後で金曜日は全体練習にも加わっている。日曜日にも問題はないと思う」とストラマッチョーニ監督から太鼓判を押されてピッチに送り出された長友は、キエーボ戦でいつも通りの全力疾走。しかも後半にはサイドを押し込むハッスルぶりだった。
キブの出場停止か、あるいは中盤の新戦力を活かすことが理由だったのか、この日のシステムは4-3-3。左サイドバックとして先発した長友の前半はおとなしめだった。4バックで後ろの枚数を残さなければならなかったこと、そして右SBのサネッティが比較的よく上がっていたせいだろう。
とはいえ、カッサーノが左サイドでボールを持った時には、後方から40~50メートルの距離を駆け上がってフォローに走る。24分には高めの位置でボールを奪ってカッサーノにパスをし、そしてリターンを追ってゴール前へ走り込む。トラップが流れ、シュートは打てなかったが、らしいプレーを見せた。
2-1で迎えた後半には、MFガルガーノのカバーリングにも支えられて積極的な攻撃参加を披露。5分にミリートが追加点を決めるが、その1分後にはパラシオのシュートのこぼれ球を狙って左足でシュート。枠を捉えたが、GKに弾かれた。
敵将のコリーニ監督は「後半はカウンター主体で流れを完全に持って行かれた。3トップに加え、サネッティと長友の推進にやられた」と語っていたが、その通り次々と見せ場を作って、左サイドを制圧。カッサーノとイメージを共有し、彼にボールを預けてスペースへ抜け、リターンを貰ってサイドを切り裂く。
守備もタフにこなし、攻撃参加の後にも忘れずに相手をチェック。31分、CKの守備でダイネッリからスライディングタックルでシュートを阻止した直後、そのまま駆け上がって相手ゴール前にボールを運び、最前線でアルバレスに繋いだシーンは彼の真骨頂とも言えるプレーだった。