欧州サッカーは崩壊を逃れることができるのか?
モウリーニョ以外のインタビューとしては、ディフェンスマスターのファビオ・カペッロ、放り込みの達人サム・アラダイス、カンテラが生んだ天才アンドレス・イニエスタ、94W杯で活躍したケネット・アンデションに話を聞いています。カペッロは毎号登場しているので、レギュラーコメンテーター化していますが(笑)。
シメオネ、コンブアレにもアポをとろうとしたのですが、叶わず。無念です。アトレティコ・マドリー、パリ・サンジェルマンについては練習から取材する地元記者がチームの哲学・戦術面に深く切り込んでいます。
戦術分析を行った記事に関しては、チャンピオンズリーグと絡めて後日紹介させて頂くとして、第二特集についても触れておきましょう。
今回の第二特集は「欧州サッカー崩壊のカウントダウン」。
ヨーロッパでの金融危機は深刻なもので、サッカー界にも大きな影響を及ぼしています。スポンサー離れによる資金難で有力選手は次々と金満クラブに売られています。それだけならまだマシなのかもしれません。存続の危機に立たされているクラブも少なくありませんから。
今回取材をしたバルセロナ大学のガイ教授が衝撃的な発言をしています。「リーガ・エスパニョーラの寿命はあと5年」と。
レアル・マドリーとバルセロナの二強が戦力・資金力で突き抜けすぎているがために、残りの18クラブは厳しい状況に立たされています。優勝争いにまったく絡めないどころか、いびつな放映権料の分配により、財政面でもまったく対抗できない状況にあります。
「別のリーグ」を意味する「オトラ・リーガ」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。このまま二強が優遇される状態が続くなら、リーガの未来は明るくないとガイ教授は警鐘を鳴らしています。
果たしてリーガ・エスパニョーラは以前のような健全なリーグに戻ることができるのでしょうか? また、その他のリーグは金融危機を乗り切り、さらにファイナンシャル・フェアプレー制度をクリアーすることができるのでしょうか?
詳細なデータと共に分析していますので、是非サッカーの未来を予想しながら読んで頂ければと思います。
半年に1回の『欧州サッカー批評』。じっくり楽しんで頂けると幸いです。
【了】