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日本代表 12年前

快勝したラトビア戦。ザックが試したかったことと、日本代表が得た収穫とは?

text by 河治良幸 photo by Kenzaburo Matsuoka

細貝萌に今後求められること

 長谷部と細貝のボランチ・コンビは[4-2-3-1]においては試合の終盤にあった程度で、これまでほとんどの試合では遠藤が長谷部と組んできた。今回は遠藤が90分はプレーできないと判断した時点で、後半出場を選択したのだろう。

 なぜならば遠藤を後に残しておく方が試合を通してのリスクが小さく、後半にウィングなど他のポジションで選手交替が出ても、遠藤がいる限り日本の基本スタイルは確保されるからだ。

 長谷部と細貝コンビはスタートからしばらく、単調なショートパスを相手MFに狙われ、何度か危険な場面につながりかけた。しかし、前半の途中から香川や本田がボランチと同じぐらいの高さまで引いて受け、攻撃の起点になることで、細貝はその背後で展開とカバーリングを司り、長谷部はどんどん高い位置まで入って、2列目の清武や細貝を追い越すダイナミックな動きからチャンスに絡んだ。

 とはいえ、「もっとダイアゴナルのパスを出せれば」と細貝が反省する様に、ザッケローニ監督が「パスを足下ではなくスペースで受けられるようになったからだ」と評価する前半の終りの方でも、引いた相手に対しても、相手を左右に揺さぶるパスや縦に入れて行くパスを出せなかった。


代表初出場を果たした大津祐樹【写真:松岡健三郎】

 そうした点で遠藤と同じプレーをすることは恐らく不可能だが、香川や本田とプレーメークをシェアしながら、2列目の選手のボールが入ったところで彼らを追い越す様な動きを増やせれば、ある程度の日本代表らしい攻撃は生み出せるはず。

 また、細貝と長谷部の連動性の高いプレッシングからもラトビアから何ともボールを奪っており、セカンドボールにも強くなっている。そうした彼らならではの強みは押し出しながら、もう少し落ち付いて、周囲を活かすパスを安定して繰り出したい。

 他にもブンデスリーガで好調の乾貴士が高いパフォーマンスを発揮し、右SBで酒井高徳が後半17分からプレー、さらにはA初選出の大津祐樹を終盤に投入するなど、主力の戦術的な確認に加えて、海外組のフレッシュな戦力のチェックに関しても収穫のあったラトビア戦。

 ここから約1カ月半後の3月22日にドーハでカナダ戦、そしてザッケローニ監督が大目標として設定するヨルダン戦に向かっていくか、3月のJリーグ開幕を経て、どういったメンバー構成、試合での起用になっていくのか、興味深く見守っていきたいところだ。

【了】

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