長友の絶妙なポジショニングから生まれた同点弾
セリエA第23節、シエナvsインテルで長友はフル出場。刻々と変わるチーム事情のなかで全部で3回もポジションを変え、チームに懸命に貢献を果たそうとしたものの、インテルは3-1で敗れた。
スターティング時は、3-4-1-2の左ウイングバックだった。右サイドには新加入のスケロットが入り、ベテランのサネッティは中盤に入る。そして、ペレイラとの選択になり長友が優先された格好である。
このときのプレイ内容自体はまずまずであった。攻撃の際は両翼一変に攻め上がり、長友はカッサーノも追い越して果敢に前にて、ゴール前にも入り込む。サイドに膨れてきた味方に渡して、自らは中に入り込むというパターンをしつこく繰り返していた。
1-0で迎えた前半23分、左サイドからのカッサーノのシュート(というよりも実質上はクロスか)に飛び込み、あわや触りそうになるようなポジションを取っていたことにも全く不思議はなかったのである。
機能しない新加入のスケロット
ただ、このポジションでのプレイは長く続かなかった。長友が崩されたわけではなく、逆に右サイドが大変な目にあったからだ。裏を取られて1失点目となるクロスを許していたスケロットは、1-1の直後の25分にも対面を止めきれず攻められてしまう。
そしてそれをサネッティも十分カバー出来ずに、セストゥに芸術的なミドルシュートを決められてしまった。火だるまにされてはたまらず、ストラマッチョーニ監督もフォーメーションを修正。スケロットを下げてシステムを4-3-1-2に変え、長友は右サイドバックに回された。
ポジションが切り替われば頭の中でタスクをすぐに書き換えられるのも長友のいいところで、守備重視でしっかりとプレイ。シエナの左サイドの攻撃は沈黙した。