補強面と総合力それぞれの診断結果
絶対的な存在、豊田陽平を残留させたことが最大のポイント。金根煥、岡本知剛の抜けた穴も的確に補填できた。また、左右のサイドバックとボランチをこなせる金井は、ベンチワークを考えると大きな補強だと言える。昨シーズン途中出場で効果的な働きを見せていたトジンがチームを離れたが、若い外国人選手たちと清武巧暉らが切磋琢磨することで、その穴を埋めることは十分可能だろう。
戦い方のベースに何ら変化はない。チーム全体が同じ方向を向き、スタイルを共有して90分間戦えるのがサガン鳥栖の最大の特徴であり、ストロングポイントだ。単純にハードワークして守るだけでなく、ボールを奪ってからの攻撃の質をより高めていくことが、今季求められる一つのポイントとなる。
昨シーズン以上の成績を残すためには、アタッキングサードでのパターンを増やす必要がある。豊田、キムミヌ、藤田、水沼らのアタッカーは、十分な質を持っていることを昨シーズン既に証明しているが、そこに清武や新外国人選手を含めた選手たちが色を付けられるか。現役時代エレガントなプレーで観客を魅了した尹晶煥監督が、どのようにして攻撃をベースアップさせていくのか興味深いところだ。
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