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改心を果たした(!?)天才の誓い アントニオ・カッサーノ インタビュー(後編)

text by クリスティアーノ・ルイウ photo by Kazuhito Yamada

一緒にプレーするのが最も簡単なのは、イブラだよ

――その偉大なるセードルフの他で、最も馬の合うチームメイトとは?

「そうだな……、やっぱまず挙げておくべきなのはガットゥーゾ大先輩だろうな。でなきゃ後で何されるか分かんないし(笑)。でもまぁ……、とにかくあのヒゲのオッサンはホント親身になってミラノに来たばかりの俺を助けてくれたよ。頼れる兄貴みたいな感じだね。ただ、俺がちょっとでも何か変なこと言ったりアホやったりするとすぐにビンタが飛んでくるんだ。しかもそれがメチャメチャ強烈でね。なので最近はできるだけ近付かないようにしてるんだよ。怒らせるとあのオッサンは真剣にヤバいからね(笑)。

 そして、もう一人はやっぱりパトだね。アイツとはどういうわけかやたらと気が合うんだ。で、さらにもう一人を挙げるとすればヴァン・ボメル。アイツはね、何て言うのかこう……、『コイツはホントにオランダ人かよ?』って思うくらいにいいヤツなんだよ(笑)」

――では、実際にピッチ上で一番フィーリングが合うのは?

「そりゃぁもちろん全員だよ。当たり前だろ? 天才は誰とだって、どんなヘボ野郎とだって上手くやれるものだからな(笑)。と、それもまた冗談として、一緒にプレーするのが最も“簡単”なのはダントツでイブラだよ。アイツとは初日からピッタリハマったんだよな。

 まぁそれってのは実際のところ天才同士にしか分からないわけで。なのでルイウ君よ、あんたにはどう足掻いても理解の及ばないところだろうが、申し訳ないけどこれはもう言葉では説明つかないんだよな。アイツがどこにどのタイミングでボールを欲しがってるか一発で分かるし、その逆もまた同じでね。

 ただ、ここで言っておきたいのは、あのイブラって選手がマジで半端じゃないレベルにあるってこと。よく言われる『たった一人で試合を決める』的な選手、まさにその次元にある選手だよ。だけでなくて、アイツ巷では変人とか●●とか何とか色々言われてるけど、実際はそのまったくの逆だってことも。試合中はもちろんトレーニングでもイブラが手を抜くなんてことは絶対にないからね。まさに真剣そのもの。

 ていうか、『マジかよ?!』っていうくらいの闘志というか勝利に対する執念というのか、それがアイツの全身に充満してるんだよ。あれだけの気迫を持つ選手を俺はこれまで間近に見たことはなかったし、正直、この俺でさえ畏れを抱いてしまうほどでね。その気迫とあの技術が一緒になるんだから、あれだけの存在感を発揮するのも当然ということになるよな。それこそ敵にとっては最高に厄介な相手だよ」

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