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2013補強診断 12年前

2013シーズンのJリーグを占う。各クラブの戦力補強診断 ~名古屋グランパス編~

text by 編集部 photo by Kenzaburo Matsuoka

即戦力の補強は矢野貴章のみに止まる


名古屋グランパス・2013シーズン 予想フォーメーション

 2010シーズンのリーグ王者である名古屋グランパスは、2011シーズンも勝ち点71と首位の柏レイソルと勝ち点1の差で2位になった。それを受けた昨シーズン、石櫃やダニエルを補強しリーグ戦に臨んだが、ケネディと玉田のアタッカー二人がケガで戦列を離れることが多く、夏場以降は闘莉王を最前線に据える苦肉の策で何とかシーズンを乗り切った。

 2010年からの3シーズン、名古屋はほぼ4-1-2-3のシステムで戦っていたが、昨シーズンは数試合で3バックを採用した。多くの怪我人が出て思うような選手起用ができなかったのが大きな要因となっている。チームのセンターラインは、楢崎正剛、田中マルクス闘莉王、ダニルソン、ケネディと能力が高く豊富な経験を持つ選手が揃っているが、全体的に高齢化している印象は否めない。

 そして今オフ、永井謙佑がベルギーのスタンダールリエージュへ完全移籍し、金崎夢生が契約満了でチームを離れ、貴重なアタッカー2枚を欠く事態となった。永井は昨シーズンのチーム得点王であり、ロンドン五輪でもそのスピードを存分に生かして力を発揮した。金崎は不本意なシーズンを送ったかもしれないが、この2人が3トップの両翼を務めることも多く、レギュラークラスのアタッカーが2枚同時にチームを離れたことは、純粋に戦力的なことを考えれば非常に痛い。

 またその他にも、三都主アレサンドロが栃木へ、吉村圭司が愛媛へ、そして巻佑樹は現役引退の道を選び、昨シーズンまで在籍していた経験のある選手5人がチームを去った。

 一方補強という面では、J1での経験がある選手は新潟から獲得した矢野貴章のみの獲得に止まった。矢野は新潟時代から2トップ、もしくは3トップの右サイドでプレーする機会が多く、永井と金崎が抜けた穴を埋めることが期待される。

 外国籍選手の補強としては、マケドニア出身のアタッカー、ヤキモフスキーの加入が決まっている。昨シーズンはセルビアのFKヤヴォル・イヴァニツァで主に攻撃的MFとしてプレーした左利きの選手で、身長も186センチと大柄。即戦力のとして期待も高くなるが、久米一正GMはまだ若い選手であり、将来性も考えた獲得だとしている。

 その他チームに加わった5選手は、下部組織、高校、大学から新加入となる。中でも、下部組織から昇格してきたハーフナー・ニッキをはじめとして、阪南大から加入する本多勇喜ももともと名古屋グランパスU18に所属していた選手であり、そして福岡大の牟田雄祐も、昨シーズン名古屋の練習に参加していた。チームの環境を知っている彼らは、新人選手とはいえチームに馴染むまでにそれほど時間は掛からないだろう。

 そして、闘莉王と同じ渋谷幕張高校出身のチアゴ・ペレイラはブラジル出身のストライカーで、183センチ・80キロと体格にも恵まれている。

 今シーズン名古屋に加入する7選手のうち、5選手が180センチを超えるのも特徴的だ。ハーフナー・ニッキの197センチを筆頭に、牟田が187センチ、ヤキモフスキーが186センチ、矢野が185センチ、チアゴが183センチとなっている。もともと体格の良い選手が揃っているチームであり、その方針にはいささかのブレもない。

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