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Jリーグ 12年前

成功する助っ人、失敗する助っ人 ~外国籍選手の成否を分けるものは何か?~(後編)

text by 海江田哲朗 photo by Kenzaburo Matsuoka

エージェントとの付き合い方で気をつけていること

 エージェントとの付き合い方で気を付けていることは。

「普通の対応ですけどね。どんな代理人とも会います。選手を紹介してもらい、いいなと思えば見に行きます。持ち込まれるDVDには多少気を付けるかな。選手を売り込もうと、たまに大昔のプレーが混ざっていたりすることもありますから。向こうも商売なのでね(笑)。ダイジェストだけではなく、1試合通したものも見るようにしています」

 一部のエージェントから持ち掛けられるらしいキックバックなどの甘い誘惑にはどう対処するのか。

「まあ……ない話ではないですね。一部にそういったアプローチを仕掛けてくるケースがあるのは否定しません。僕の場合は、ほかの強化のスタッフにすぐ話します。あの人がこういうことを言ってきたよと。そんなの別に誘惑ともなんとも思いませんけど」

 神田は生粋の新潟人だ。03年、新潟でのプレーを最後に引退し、翌年から強化部長に就任した。

「マルシオはブラジルで成功している部類の選手ではありませんでした。それが新潟で大スターになり、毎日楽しそうにプレーしていた。逆に、いくら能力が高い選手でもここで活躍できるとは限りません。たとえメッシでも確実とはいえないのでは。そういうものなのかなと思います。監督がうまく使ってくれて、おっ雰囲気が出てきたねと感じる瞬間がうれしい」

 地方クラブ特有の気質があり、新潟のやり方がすべてにおいて通用するわけではない。ただ、外国人選手の獲得における規範のようなものがあるクラブと、行き当たりばったりのクラブでは差が出てくるのは当然と考える。

【了】

初出:サッカー批評issue53

プロフィール

神田勝夫
1966年6月21日生まれ、新潟県出身。89年よりNKKサッカー部に加入。94年にセレッソ大阪へ移籍。98年に横浜マリノスに移籍した後、2000 年よりアルビレックス新潟でプレーし、03年に現役を引退。04年よりアルビレックス新潟の強化部長を務めている。

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