新潟の外国人が活躍できる理由
アルビレックス新潟は補強した外国人をチーム力に反映させる巧さで知られる。エジミウソンやマルシオ・リシャルデスがその代表例だ。そこには独自の手法や規律があるのだろうか。強化部長の神田勝夫に訊いた。
「よそのクラブの方から『どんなことをやってるの?』とよく訊ねられますが、特別なことは何も。強いて言えば、国内スカウトと海外スカウトを1名ずつ置いています。しかし、それは新潟だけではないはずです」
エジミウソンとマルシオ・リシャルデスはともに4年在籍した。フリーの状態で浦和レッズに移籍した結果、違約金は残していないが、新潟は旬の時期をきっちり使い切ったともいえる。
「例年、前線の外国人が得点源となっているので、それはそれでひとつのスタイルかなと思いますね。大事なのは日本人選手とどう組み合わせるか。複数のポジションを要求するのは日本人と同じです。監督の戦術のバリエーションを確保するために、2つ以上はこなしてもらう必要があります。外国人の場合は日本のサッカーに慣れ、チームにフィットするまで時間がかかるものです。シーズン途中の加入はなおさら難しい。我慢が必要だと思います」
多くの外国人はレフェリーの判定基準や目まぐるしく攻守が入れ替わる日本のサッカーに戸惑う。今季から加入し、28試合12得点(10月末現在)のブルーノ・ロペスは当たりといって差し支えないだろう。「これからもっと当たってきますよ」と神田は笑う。
仮に選手人件費の予算を10億とすると、外国人選手の占める割合はどのぐらいか。「およそ3割弱です。他クラブとの比較では、割合が低いほうだと思います」
基本的に補強は強化部が主導し、過程で現場の意見を採り入れていく。監督が選手に求めること、プレースタイルの好み、それらの要素を加味し、予算と照らし合わせながら候補を絞り込んでいく。
「08年に獲得したダヴィ、09年のエヴェルトン・サントスなど、うまくはまらなかった選手もいます。傾向としては、日本に適応するのに時間のかかる選手、自分を表現するのが得意ではない選手は難しさがあると感じます」