クレオの獲得から感じられる、柏の本気度
25日、衝撃のニュースが飛び込んできた。柏レイソルが広州恒大に所属するFW・クレオ(クレヴェルソン・ガブリエル・コルドヴァ)を、期限付き移籍で獲得したと発表したのだ。クレオはブラジルとセルビアの2重国籍を持つアタッカーで、ポルトガル、ブラジル、セルビア、中国でプレーした。
キャリアの中で、パルチザン(セルビア)では突出した活躍を見せ、チャンピオンズリーグの予備予選も含めるた公式戦に2年間で67試合に出場し、42得点を挙げている。その後2011シーズンから、現在マルチェロ・リッピ監督の率いる広州恒大(中国)に移籍した。柏は昨シーズンのACL、グループリーグで広州と対戦しており、そのときにも9番を背負って出場している。
クレオの獲得は、今シーズンに対して柏レイソルがどのような姿勢で臨むのか、一つの回答になっていると考えられる。今オフの柏は天皇杯の決勝まで残ったこともあり、補強のリリースが出てこずサポーターもやきもきした部分もあるだろうが、24日に発表となった谷口博之、狩野健太、太田徹郎の獲得、そして25日に発表となったクレオの獲得により、一気に今季の陣容が見えてきた。
柏にはレアンドロ・ドミンゲスとジョルジ・ワグネルという、突出した個の力を持つアタッカーを擁している。彼らは試合を決められる力を持っている一方で、特に攻撃面では彼らの力に頼る比重が高い。これは能力の高いアタッカーを保持しているチームでは当たり前のことだが、レアンドロやワグネルが不在の試合では攻撃に迫力を欠いてしまう。しかし今回クレオを獲得できたことで、彼らのローテーション起用も現実的なものとなり、昨シーズン感じられた不安要素は、かなりの部分で払拭できると言えるだろう。
選手の出入りだけを見ると、放出された選手のほうが圧倒的に多いが、その殆どが昨シーズン出場機会を得られていなかった選手だ。主力として活躍していたのは浦和に移籍した那須大亮のみと言える。逆に獲得した選手は、いずれもJ1で実績のある選手ばかりで、選手の絶対数が減少したとしても全体的なベースは間違いなく高まっている。そして、北嶋の移籍後手薄になっていたフォワードのピースが、クレオの加入で埋まった。
今シーズンの柏は、JリーグとACLという二つのタイトルを狙うことを、補強によって明確に表したと言えるのではないだろうか。