攻撃に関しては作り直す必要がある
その点について城福監督は「今までやってきたことを継続するのは当然として」と前置きしたうえで、「攻撃に関しては作り直す必要がある」と語り、二次キャンプの攻撃のテーマに「今年のチームにおける攻撃の最大値がなんなのか、見極めること」を挙げた。
「アタッキングサードまではしっかりつないでいきたい。それは去年もやってきたことで、今年も継続して磨いていく。そこから先は、去年ならダヴィがいた。では、今年はなんなのか。同じように個人なのか、複数の選手たちなのか、コンビネーションなのか。特徴を持った選手が増えてバリエーションも増したから、あれも、これもとなりがちだけど、まずはJ1で通用する最大値を見極めたい。それによってメンバーや組み合わせが決まる」
攻撃陣の新たな顔ぶれは、前述のブラジル人ふたりに加え、平本一樹(前東京ヴェルディ/昨季は町田ゼルビアでプレー)、羽生直剛(前FC東京)、水野晃樹(前柏レイソル)の3人だ。
そこに、今オフにはJ1クラブからの接触もあった柏好文、昨季、出場機会を大幅に増やしたプロ3年目の堀米勇輝と、生え抜きの両サイドアタッカーも健在だ。
最大値は昨季と同様、ブラジル人の個の力になるのか、平本のポストプレーに柏や羽生らセカンドラインの飛び出しになるのか、水野と右SBの福田健介によるサイドからの崩しになるのか……。
いずれにしても、新加入選手と既存の選手たちの起こす化学反応が大きなポイントになるはずだ。
一方、守備に関しては「積み上げが狙いになる」と指揮官は言う。攻撃陣とは打って変わって、守備陣はレギュラーメンバーのほとんどすべてがチームに残った。
そこに、東京ヴェルディから土屋征夫、横浜F・マリノスから青山直晃が加わった。ギラヴァンツ北九州からやって来たボランチの新井涼平も含め、センターバックとボランチは熾烈なレギュラー争いが繰り広げられること必至だ。
土屋が38歳、羽生が33歳、平本が31歳と高齢なのが気になるが、それも大きな強みだと指揮官は言う。
「ひとつは体力年齢を見極めているから問題ないということ。もうひとつは、“本物のベテラン”というと語弊があるけど、彼らはどのチームでも貴重な戦力として、ここまでプレーしてきた選手たち。プレーする場所がなくてここに来たんじゃなく、ピッチの中で自分の価値を示してきて、請われるなかで、ここに来てくれた選手たち。いわば、真のベテラン選手。すでに、素晴らしい振る舞いでチームを作っていこうとしてくれているし、新しい刺激ももたらしてくれている」