補強面と総合力それぞれの診断結果

　新加入の選手たちは名前だけを見れば地味な印象を与えるかもしれないが、選手ごとの役割が明確だ。佐々木には経験が、石川と和田にはユーティリティ性が、そしてヘベルチには一発がある。費用対効果を考えればかなり効果的な補強ができたと言えるだろう。手倉森監督が強化部にしっかりとリクエストを出し、強化部もそれに応える環境ができている。長期政権のメリットが表れていると言えるのではないだろうか

　繰り返しになるが、やはり上本大海の負傷離脱がチームとしては痛い。特に開幕直後はACLの予選リーグを並行して戦うだけに、新加入の石川がその穴をどれだけ埋められるかが、開幕ダッシュを考える上で大きな要素になってくるだろう。また、ACLを踏まえて層の厚さということを考えると、ボランチで大きな影響力を持つ角田と、高い得点力を誇る右サイドバック、菅井の代役は見当たらない。彼らをどれだけ上手く休ませながら戦うかも、厳しい日程を乗り切る上で重要なポイントになってくるだろう。

　ただ仙台は、ACLに関しては初出場ということで、チームとしては手探り状態で戦うことになるし、経験を積むという側面も大きい。手倉森監督も、第一の目標はJリーグ制覇においており、チームの目標は明確になっている。その側面から考えると、今オフの補強は理にかなったものと言えるし、リーグを狙うための総合力は昨シーズンよりも上積みができたと言えるだろう。ACLと並行する戦いで、どれだけコンディションを保って戦えるかが、今季の課題と言える。（※それぞれA～Eランクで診断）

【了】