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Jリーグ 12年前

ジェフ 静かなる改革~新シーズンに向けた社長の思考と決断~

text by 西部謙司 photo by Kenzaburo Matsuoka

関塚さんを招聘しようとした意図


プレーオフ決勝で敗れ、昇格を逃した千葉【写真:松岡健三郎】

――関塚隆氏とは交渉がまとまりませんでした。新聞記事では『千葉の態度に不信感を持った』と書かれていました。

島田 『不信感を持った』という様子は見られなかったので、なぜそういう記事になっているのかはわかりません。諸々の条件が噛み合わなかったということです。

――何が噛み合わなかったのでしょう。

島田 個々の契約条件なので、そこは言えません。

――強化方針や選手の獲得について?

島田 いろいろです。選手のこと、クラブの予算、本人の契約条件、スタッフの条件など。どれがどうかは言えませんけど。

――関塚さんを招聘しようとした意図は何だったのですか。

島田 クラブ内に競争を持ち込んでくれる人、それによって戦う集団にしてくれる人、そのためのトレーニングの量と質を高め、試合ではいわゆる勝者のメンタリティを植え付けてくれる人。議論して、そういう人物がいいのではないかということでリサーチした結果、浮上したのが関塚さんでした。

――関塚さんとは破談になったわけですが、新監督にもそういう条件を満たす人が望ましいと。

島田 当然そうなります。

――来季に向けて組織上の変化はありますか。

島田 とくに組織を改変することはいまのところ考えていませんが、トップとアカデミーの連携をより強めていきたいと思います。トップの練習にユースの選手を参加させてみる、トップとユース、ジュニアユースのコーチ同士がよりコミュニケーションを深めていく。それぞれが別々でなくて、つないでいくことが重要だと考えています。

――プレーオフまで進みましたが、残念ながら昇格はできませんでした。

島田 振り返ると、もう少しできたんじゃないかという思いはあります。夏から秋口にかけて苦しい時期がありましたが、もう少し戦い方を考えていれば違っていたのかなと。ただ、それは他のクラブも同じでしょう。勝ち点を積み上げる力が少し足りなかった。

――社長は昇格できると思っていましたか?


 関塚氏との交渉が破談となったが、クラブ側は何人もの候補を掲げていたという。来季の編成を考える時期や、そこに強化部がどう関わっていくのかなど、興味深い話がインタビューでは続いていく。

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