補強面と総合力それぞれの診断結果
今回他クラブから獲得した選手はいずれも日本代表経験者であり、昨シーズンの足りなかったピースを的確に埋める補強ができた。年齢バランスも、クラブの中で最も薄かった20代半ばの層を一気に増やすことができ、ペトロヴィッチ監督の求める戦力をしっかりと獲得できた。現場とフロントが一丸となって、強化を進められていると言って良いだろう。
クラブとして目的をどこに置くのかがポイントになる。効果的な補強を行ったとは言え、前回ACLを制覇した2007年のチームと比較すると、小粒な印象はぬぐえない。それぞれのポジションに良い選手が並んでいるのは間違いないが、チームの中心として矢面に立ち、責任を背負って引っ張っていくリーダー的な存在は見当たらない。もちろん、そうしたチーム作りをしているとも言えるが、海外アウェーでの厳しい戦いを制するには、濃いキャラクターも必要だ。
Jリーグは相対的に各クラブの戦力が均質化していきているため、今オフの補強で浦和はリーグ戦のみを考えれば優勝候補の筆頭に挙げられる戦力を有したと言えるだろう。一方、ACLの戦いに関しては楽観視できるものではなく、そこで思うような戦いができないと、今度はリーグ戦にも影響が出てくる可能性もある。リーグとACLの両方を獲りに行くことを目的とするのならば、もう一枚、強力なピースが必要ではないだろうか。(※それぞれA~Eランクで診断)
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