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2013補強診断 12年前

2013シーズンのJリーグを占う。各クラブの戦力補強診断 ~浦和レッズ編~

text by 編集部 photo by Kazuhito Yamada

関口、那須、森脇と代表経験者を獲得

 次に、仙台から加入してきた関口は、左右のアウトサイドでポジションを争うと予想される。昨年アウトサイドを務めた梅崎と平川に関しては、シーズンを通して良いパフォーマンスを見せていた。ただ一方で、浦和のアウトサイドは攻撃ではウイング、守備ではサイドバックと、攻守両面で非常に多くの運動量を求められる。

 シーズンを通して、良いコンディションで戦い抜くのが最も厳しいと予想されるポジションであるだけに、昨年大きな成長を見せた宇賀神友弥と共に、関口がアウトサイドの戦力増強に果たす役割は大きい。持ち前のスピード、運動量、攻守にわたっての献身性が発揮されれば、レギュラー争いにも十分割って入るだけの力を持っているし、戦力的にも厚みが増す効果的な補強だ。

 柏から加入した那須大亮は、昨シーズンのオフにも浦和はオファーを出しており、2年越しでの加入となった。那須はセンターバック、ボランチ、サイドバックでプレーできるユーティリティ性の高い選手で、昨シーズンの柏では右サイドバックでプレーする機会が多かった。浦和は3バックとボランチの動きが特徴的なチームで、3バックの中央はリベロ的な動きを求められ、左右のストッパーは攻撃に入るとサイドバック的な動きが求められる。

 またボランチの一人(昨シーズンは阿部が務めていた)は、中盤とディフェンスラインを行き来する機会が多い。那須のポリバレント性は、浦和のようなスタイルでこそ輝くのではないかと考えられ、一気にレギュラー奪取は難しいにしても、監督としては手元に置いておきたい駒であることに間違いないだろう。


広島から加入した森脇良太【写真:山田一仁】

 最後に広島から加入した森脇は、昨年坪井慶介が務めた右ストッパーに入ることが予想される。坪井は優れたディフェンススキルで安定感のあるディフェンスラインを構築していたが、ボール扱いに長けた選手ではなく、攻撃面でノッキングを起こす要因にもなっていた。森脇の獲得は、より攻撃的なチーム作りを考えた上でのものだと考えられるが、槙野と森脇が並ぶ3バックは、攻撃特性の強い選手が並ぶことで守備面での不安もある。

 森脇はペトロヴィッチ監督のサッカースタイルに慣れ親しんだ選手であり、スムーズにチームへ入っていくことはできるだろう。その一方で坪井が取っていた守備面でのバランスが大きく崩れないかどうかが、一つの課題となる。

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