興梠の獲得は大きなプラス材料
今オフに浦和レッズが新たに獲得した選手は、那須大亮、興梠慎三、関口訓充、森脇良太、阪野豊史の5人。それに加え、1FCケルンから完全移籍となった槙野智章と、草津からレンタルバックとなった永田拓也を加え、7選手が新加入となった。
一方放出された選手は、青山隼、田中達也、濱田水輝、エスクデロ・セルヒオ、ポポ、原一樹の6選手。青山と原、エスクデロに関しては昨シーズンから期限付き移籍でチームから離れており、純粋な減数としては、田中達也、ポポ、濱田の3選手となる。
昨シーズンからチームを率いる“ミシャ”ことミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、広島時代から非常に特殊なサッカーを展開している。詳しくは昨日掲載した西部謙司氏のコラムを参照していただくとして、最も大きな特徴は攻守が入れ替わった際にシステムが変化することと、後方からのビルドアップに対してかなり強いこだわりを持つところにある。
補強については、昨シーズン足りなかったピースに、人を当てはめた印象だ。昨シーズンは、1トップを原口元気とポポの二人が務めることが多かったが、二人合わせて9得点とフォワードとしての責任をまっとうしたとは言い難い。そこに、鹿島から興梠を獲得できたことは、戦力的に大きなプラスと言えるだろう。
昨シーズンの浦和は、丁寧なビルドアップからチャンスを作り出すことはできていたが、エリア内での動き出しに大きな問題を抱えていて、サイドを崩してクロスが入ってもそれが得点に繋がる場面が少なかった。また、ボールがないところでの動き出しも質が高かったとは言い難く、興梠が持つプレーの特徴を考えれば、非常に効果的な補強と言える。
ただ、浦和レッズというクラブは歴史的に優れた外国籍のストライカーが数多く在籍していたため、サポーターがフォワードに求めるレベルは高い。また、観客数も多く注目度の高いクラブであり、前線の選手はメンタル的に厳しい戦いを強いられる。そこさえクリアできれば、興梠の加入は大きな戦力アップに繋がるだろう。