今でも中田とはボールを蹴りたいと思っている
――そういえば最近「TAKE ACTION」への出場のオファーを受けたそうですが。中田さんから直接、電話があったんですか?
松田 いえ、ぜんぜん。あいつの電話番号知らないから(笑)。もともと知らないし、飯にも行かないし。いや、Jリーグに入ったころから02年くらいまでは、行くこともあったかな。
――そんなにコンタクトを取ることはなかったんですね? ちょっと意外です。
松田 あいつはもともと、上の人が大好きだから(笑)、だからそんなに。でも(代表で)ジーコの時も、相談したら乗ってくれるやつだったから。お互い、そんな感じです。それにあいつ、ベタベタするのが大嫌いだし。みんなと一緒にいるのは好きだろうけど。それは人それぞれだし、オレらがとやかく言うことでもない(笑)。
――「TAKE ACTION」の主旨については、ご理解した上で参加されるのですか?
松田 ぜんぜんしていないです(笑)。ただ「中田とやりたい」というのは正直あるし、あとオフなので別にいいかなと。毎回「何でオレ、呼んでくれないのかな」というのは思っていましたから。
――やっぱり今でも、中田さんとボール蹴りたい?
松田 それはありますね。そこに来る人たちもすごい人たちだし。オレとタメのやつはそういないので、そこがちょっとつまらないですけど。
――「たられば」の話になって恐縮ですが、個人的には中田さんがドイツで引退宣言せずに、そのまま日本に戻ってきて、それこそ湘南か(ヴァンフォーレ)甲府でプレーしていたほうが、どれだけ日本サッカー界のためになっただろうかと考えてしまうんですよね。実際、まだまだプレーできたわけだし、プレーヤーとしての影響力もあったわけだし。
松田 自分はそうは思わないです。あいつの生き方だし、あの生き方を見て学んだ人もいるだろうし、それでまたサッカーに興味を持つ人が増えてくればいいと思いますよ。でも、オレは違う。
――松田さんご自身、これだけ長く現役を続けているとは、若いころは想像できましたか?
松田 いや、思っていなかったですよ。プロになれただけで「うわー、すごいわ」というのはあったけど、こんなに長くできるとは考えていなかってですね。