サッカーの魅力を伝えきれていない番組制作
以前から日テレのサッカー中継に疑問を持っているサッカーファンは少なくないのではないだろうか。
たとえば12月に行われるクラブワールドカップ。タレントを呼んで選手におかしな質問をぶつけてみたり、ピッチとは関係のないことを延々と話す“資料読み”と言われる実況をしたりする傾向は、一向に改善が見られない。
視聴率はTV局にとって大事なことは重々承知しているが、サッカーの魅力を十分に伝えようとする姿勢はあまり感じられない。
今回の高校サッカーでも疑問を感じる点はいくつかある。
ケガを押して出場する選手に対し、「彼はケガを抱えながらもチームのために出場し…」と実況が言えば、解説も「素晴らしいですね」と返す。
「チーム愛」と言えば聞こえはいいが、彼らは高校生。大学、そしてプロとまだまだ先のある選手たちだ。ケガを押して試合に出ることが必ずしも彼らのサッカー人生にとってプラスになるとは限らない。そしてそれ以上に、スポーツ報道であるならば、ケガを押して出場することのリスク、マイナス面があることを、しっかりと伝えるべきではないのか。
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