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本田圭佑 12年前

CSKAモスクワ・本田圭佑 今冬の移籍可能性は?

text by 植田路生 photo by Kazuhito Yamada

最も可能性があるのはインテルか

 ミランと同様、トップ下を求めているのがフェネルバフチェだ。今年になって獲得の噂が出た。

 このトルコのクラブには8年間、アレックスというブラジル人MFがキングとして君臨していた。トップ下として攻撃をオーガナイズし、フェネルバフチェはアレックスのチームと言っても過言ではなかった。シドニー五輪の日本戦でゴールを決めた選手、と言えばわかる人もいるだろう。

 だが、アレックスはフロントと揉め、母国のクラブ(コリチーバ)へと移籍した。ラウール・メイレレス、クラシッチ、カイトとビッグネームはいるが、トップ下だけポッカリと空いたままだ。

 本田であればすぐにでもレギュラーとなり、新たなキングとなれる。ただ、ビッグクラブへの移籍を望む本田は首を縦には振らないだろう。レアル・マドリー移籍を夢見る本田にとってフェネルバフチェは遠回りでしかない。

 最も可能性があると思えるのが、インテルだ。

 衆知の通り、スナイデルの移籍はもはや規定路線(今冬かは微妙なところだが)。世界でも指折りのMFで、チームメートとの関係性も悪くないようだが、今のシステムにスナイデルが入る余地はない。スナイデルは彼が中心となれるチームでなければ、輝けない。

 クリエイティビティという点において現状の本田はスナイデルに劣るかもしれないが、献身性・ポリバレント性では上回っている。CSKAモスクワの試合を見たことがある人ならわかると思うが、トップ下、サイド、ボランチとどの位置でも十分に力を発揮してプレーできている。ムサやジャゴエフが戻らない分、戻って守備をしているのも本田だ。現在のインテルであれば、中盤、3トップの1角、どこでもチームに馴染めるだろう。

 また、インテルには長友佑都もいる。長友自身も「本田ならフィットできる」と語っているように、加入すれば日本代表で見られるようなコンビネーションをイタリアでも発揮することは容易に想像できる。

 長友が加入した際には対戦したエトーとスナイデルの口添えがあったと伝えられている。本田にオファーをする段階になれば、当然長友からの大きな後押しはあるだろう。

 イズベスチヤ(ソ連政府の公式新聞だったが方針転換したため信用度は不明)の一報から進展はないが、スナイデルの移籍が決まれば急転直下で決まることもあり得る。それこそ、長友のときのように1月31日に土壇場で契約したとしても、何ら不思議ではない。

【了】

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