ミラン移籍のカギとなるヒザの状態
移籍をめぐる報道は年々加熱し、たとえ注意深く読んでも真偽の判別は難しい。週刊誌『footballista』の調べでも、昨夏報道された噂のうち6割が「ウソ」とされている(ちなみに一昨季227件の「ウソ」のうち実現したのはたった3件のようだ)。
であれば、報道ソースから探るよりも、別の角度から検証していった方が建設的だろう。
まずは最近話題に上ったACミラン。
セードルフが離れ、パトも冬に移籍した。中盤はボアテング、ノチェリーノ、モントリーヴォなど駒は揃っているが、かつてのような迫力はない。
加えて、トップ下がいない。現在はトップ下を置かない4-3-3の布陣で戦うことが多く、ボアテングが偽センターフォワードのような役割を担っている。が、フィットしているとは言いがたい。
トップ下不在で、イブラヒモビッチもいない。今のミランは前線でタメが作れる選手がおらず、ダイナモ・タイプのボアテングやノチェリーノが活きていない。2列目の飛び出しが不安定なため、エル・シャーラウィの個人技に依存している。
それを解消するための本田と考えると、ない話ではない。ポイントとなってくるのは本田自身のヒザの状態だ。昨年10月、名波浩氏に話を聞いたときに「まだヒザが完治していないのか、以前のように相手を押さえつけてまで強引にキープすることが少なくなっている」と指摘していた。
名波氏もヒザをケガしたことがある。踏ん張る力が戻ってくるまでに時間がかかるのだという。報道によればミランが獲得を目指すのは今年の夏。それまでに最高の状態に戻っていれば、ビッグオファーがくることも十分に考えられる。
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