ポルトガル代表に足りなかったもの
──代表監督もあなたのそういう性格を知っていたからこそ、キャプテンに指名したのですね。
「そうだと思う。もちろんルイ・コスタやフィーゴといった選手もキャプテンシーがあったけど、僕は彼らより少し年上で少し代表経験も長かった。あの2人はポルトガル代表の中心選手だったからプレーに集中させるために、僕の方がよりキャプテンに向いているということで選ばれたんだろう」
──キャプテンは、MFやFWよりあなたのようなDFの選手の方がふさわしいという考えもあったのでしょうか?
「これは僕の意見だけど、GKはキャプテンを務めるべきではないと思う。GKは試合中に自分の持ち場を離れることができないし、試合中に他の選手とコミュニケーションをとるのが難しい。キャプテンというのはキャプテンマークを巻いていればいいというものではないからね。だから、DFがキャプテンを務めるのがより理想的だと思うよ。最終ラインからピッチを広く見渡すことができるし、味方の選手に指示を出すこともより簡単だしね」
──そのポルトガル代表では110試合のAマッチ出場(フィーゴに次いで2位)と輝かしい実績を残しました。しかし、W杯やEUROでは優勝できませんでした。チームに、そしてあなた自身に何が足りなかったと思いますか?
「ほんの少しの運とほんの少しの勝利だね。特にEURO2004は最大のチャンスだった。僕らのコンディションは最高だったし、チームとしてのクオリティも高かった。自国開催で国民の最大限の後押しも約束されていたし、優勝するために必要な条件がすべて揃った大会だった。実際、ポルトガルが一番優勝するに値するチームであったことは、決勝までの戦い方を見てもらえばわかると思う。
僕ら『黄金世代』は選手としてとてもクオリティの高いハイレベルな集団だったと思うけど、僕も含めて、優勝するためには個々の実力が少しだけ脆弱だったのかもしれない。それでも、EURO2000以降は(W杯、EUROも含めた)すべての国際大会に出場している。ポルトガルのような小さな国にとってこれだけでも誇るべきことなんだよ」