一番フィーリングが合った監督
──では、現役時代数多くの監督の下でプレーしていますが、一番フィーリングが合った監督は? 逆に反りが合わなかった監督は誰でしょうか?
「う~ん。困ったな。難しい質問だな。こういう質問が一番難しいね(苦笑)。多くの監督からポジティブな薫陶を受けたし、影響も受けたしね。自分が一緒に仕事をした監督を簡単に“良い監督”“悪い監督”と判断したくはないね。強いてあげるなら、アルチュール・ジョルジュ。(国内の下位クラブに)レンタルに出されていた僕をポルトに呼び戻してスタメンで使い、ポルトガル代表にも呼んでくれて代表デビューさせてくれた“特別な”恩人だね。そして僕がプレーしたクラブと同様、ネガティブな印象を持った監督は本当にいないんだ」
──あなたは、ピッチ上では常に気持ちのこもった熱いプレーをしていたように思います。これは意識してそうしていたのですか? それとも自然に気持ちが前面に出ていたのでしょうか?
「もちろん、ピッチに入ると自然に気持ちが出ていたね。僕が気合いを入れて強いスピリットを前面に押し出すことで、その気持ちがチームメイトにも伝播して“戦う集団”になるんだ。僕にとっては当たり前の“熱い”プレースタイルが、結果チームメイトを鼓舞することにつながっていたのはとても良かったと思う。ただ、ピッチを出ると僕はおとなしくて穏やかな“大人”に戻るよ(笑)」
──ポルトガル代表では最多の45試合でキャプテンを務めました。キャプテンとしてチームをまとめるのに気をつけていたこと、心掛けていたことは何でしょうか?
「まず、監督の戦術を誰よりも理解し、監督の指示をピッチにいるチームメイトに正確に伝えること。味方を叱咤激励したりするのは、ごく自然なことで自分に合っていたように思う。あとは若い選手には“いいぞ!”とか“そのプレーだ!”とか自信を与えるような言葉をかけるようにしていたね。もちろんピッチの外でもチームメイトと積極的にコミュニケーションをとるようにしていた。僕の“熱い”性格がキャプテンに向いていたということだよ」