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日本人がカンプ・ノウでプレーする日(後編)

text by 北健一郎 photo by Kazuhito Yamada

 すでにマンチェスター・ユナイテッドの香川真司や、インテルの長友佑都など、ビッグクラブで活躍する選手が出てきたことなどから、日本人選手の評価は上がってきており、「日本人選手だから」という色眼鏡で見られることはなくなってきていると浜田氏は言う。

「昔は日本人と言うと、あまり歓迎されなかったのですが、今はスペインでも日本人選手は『良い』と言われています。ただ、現時点で日本から直接獲ろうとはしていないですね。ヨーロッパで活躍している選手しか見ていない。それでも、日本人が行きやすくなっているのは確かです」

Jの下部組織に入れないようならスペインでプロになるのは難しい

 日本では同年代で突出した選手が上のレベルでプレーする環境が整っていない。海外であれば上のカテゴリーに飛び級でプレーしているような選手でも、小学生は中学生の大会に出場できないといった、日本式のカテゴリー間の制約によって、同世代で“足止め”を食らってしまうことは育成面で大きな課題になっている。

「本当にスーパーな選手で、ヨーロッパのビッグクラブから来て欲しいと言われるぐらいの選手だったら、僕は12歳までに海外に行くことをオススメします。ただ、日本にいたほうが、プロ選手になれる可能性は高い。海外に行けば日本のネットワークには引っ掛からなくなってしまうリスクがありますし、スペインでプロになるのは日本よりはるかに難しいので。それでも、世界トップの選手になることを目指すのであれば海外に行くことが近道だとは思います。

 そうではなく、日本でJリーグの下部組織に入れなかったから海外に行くというのは、たぶん難しいのではないでしょうか。Jユースに上がれず、それを糧に頑張った本田圭佑選手や中村俊輔選手はプロになりましたが、Jリーグの下部組織に入れなかったけど海外に行けば誰かが見てくれる、っていうのはちょっと違うのかなと」

 ただし、海外に行くことによって鍛えられるのはサッカー選手としての能力だけではない。異国の地で生活し、様々な世界を見ることによるメリットは計り知れない。浜田氏は人間的な成長をメリットに挙げた。

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