以上、浦和レッズが獲得した、もしくは獲得の噂される選手たちの印象を、各番記者に聞いてみた。浦和レッズはJリーグの中で突出した観客動員数を誇り、予算の額も大きい。2007年以降タイトルに見放され、成績的にもクラブの規模を考えると厳しい状況が続いてきたが、昨年のリーグ戦3位とそれに伴うACL出場で、クラブもビッグクラブらしい補強策に打って出ている印象を受ける。
那須以外は移籍金が発生しない移籍であることも、予算管理の面では適正な対応をしていると言えるだろう。ただ反面、大きな補強を行えばそれにともなった結果も求められる。今季の浦和レッズは、果たしてどの程度の結果で応えることができるのだろうか。
そして最後に、浦和レッズを長年見てきている島崎英純氏(浦和レッズマガジン編集長)に、今オフの補強策について伺った。そちらでこの原稿の締めとしたい。
島崎英純氏に聞いた今オフの補強策
――今オフ、浦和は積極的な補強をしていますが、どんな印象ですか?
「非常に的確な補強ができていると思います。ミシャは長くJリーグにいますので、他のクラブの状況も把握できています。クラブとしては、監督のリクエストに沿った、良い補強ができていますね」
――ただ、外国人枠はまだ空いています
「そこはまだ表に出てきていないところで、獲得に動いているという噂もあります。この冬に間に合わないとしても、動いてはいると思います。ヨーロッパから選手を獲得したい場合、契約の問題で夏に獲得するほうがやりやすい部分もありますし、現実的には夏だと思います。補強費を押さえるためにも、できるだけ移籍金の発生しないタイミング、選手を獲得したいという考えもあると思いますし。そこはクラブ側の思惑と、ミシャサイドの思惑の、利害が一致していると思います」
――一部で噂となっていた、ボルフスブルクの長谷部の獲得はあるのでしょうか?
「クラブとしては獲得したい意向は出しているでしょうが、本人の意志も当然ありますし、マーケットが開いた直後なのでまだ動きはないと思います。長谷部自身はボルフスブルクからステップアップしたいという思いはあると思いますが、現状では他のクラブからオファーはないようですし、クラブ内での立場も向上しています。今焦ってクラブから出る必要はないし、日本に戻ってくるとヨーロッパでの挑戦はほぼ終わってしまいます。ワールドカップのことだけを考えれば日本でプレーしたほうが良いかもしれませんが、本人の意向を考えても、戻ってくるのは今のタイミングではないと思います」
――全体としては?
「近年になく、クラブと現場がリンクしている印象ですし、しっかりと評価できるのではないでしょうか」
【了】