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日本代表 12年前

ザッケローニの手腕とマネジメント ~気鋭の論客4人が徹底討論~(後編)

text by 植田路生 photo by Kenzaburo Matsuoka

ザック以後の監督に求められるもの

――ということはザック自身の真価が問われるのはこれからかもしれませんね。さて、少し先の話ですが、次期監督の話題を少々したいな、と。ザックは今、順調にきていますが、ザック以外の候補の方が就任していたら、上手くいっていた保証はまったくないわけです。

三浦「代表は日本国民のものですから、日本人のことを理解する気のある人がいいでしょうね。ザックは理解する気のある人で良かった。日本人でもいいけれど今は現実的に選手がヨーロッパのトップクラブで活躍して日々世界のトップレベルと戦える状況で、日本人監督が国内だけでの経験で代表監督を率いるのは厳しいように思える」

羽中田「何のための代表か、というのをきちんと考える必要があると思います。日本のサッカーファンを楽しませる人が適任かと」

里内「ベストは日本人ですよ。ブンデスリーガでの日本人選手の活躍を見ると、ドイツ人もいいのかな、と思います。ただ、外国人だと意思疎通を図るためのメッセンジャーとして日本人コーチの役割が重要になってきますね」

飯尾「今回の人事でも原(博実・技術委員長)さんは相当がんばって監督を探していた。マヌエル・ペジェグリーニやエルネスト・バルベルデにも声をかけて。そうやって築いたルートをこれからも活かして欲しい。欧州でプレーする選手をコントロールしつつ刺激を与えられて、能力を引き上げられるような人がいいですね。理想を言えば、CLに出るクラブで指揮を執る日本人」

三浦「そうだよね。日本人監督のレベルも上がらないといけない。CLを経験する人が出てくれば、その人に任せてもいいよね。ただ、日本人だと…メディアからのプレッシャーがあまりにキツイでしょう。岡田さんのときに叩くだけ叩いて、W杯で結果を出したら、すぐ持ち上げる。メディアの責任は大きいと思いますよ。お2人の前で言うのはアレですけど」

飯尾・植田「(苦笑い)」

――最後にザックのチームマネジメントへの総評を頂ければ。日本代表の監督に就任してから2年が経過しました。W杯とW杯の間、4年を一般的な任期と考えると、半分が過ぎたわけです。

三浦「南アW杯の後の勢いを活かして、チームを軌道に乗せましたよね。ある程度ベースがあったり、これまでの選手とはメンタリティの違うメンバーが集まっているのでアドバンテージはあったと思いますが、うまく活かしながら選手との信頼関係を築いていった印象です」

羽中田「いいチームですよ。浮いている奴がいない。それぞれの弱点を補いながら輝ける方法を見つけているような、そんな空気を感じます」

里内「よくできています。W杯予選も順調ですし、今のところ悪いところはないでしょう」

飯尾「僕もスタートが良かったと思います。岡田さんが基礎を固めたチームを引き継いだ、クラブで言う途中就任のような形でしたが、ザックは途中から指揮する経験がありますから。インテルやユベントスでの失敗がいい糧になったのかもしれません。ただ、選手層は心配ですね」

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