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Jリーグ 12年前

柏レイソルの選手たちが語る、天皇杯決勝戦

text by 後藤勝 photo by Kenzaburo Matsuoka

ゴールを奪う予感はあった

(セットプレーの攻撃の極意は?)いや、気持ちです。気持ちで相手のマークを外すということでしょうか。

(優勝にかける気持ちは相手を上回っていた?)そうですね、チームの雰囲気のいいところが優勝につながったと思うんですけど、出ていない選手も本当に勝ちたいという気持ちでメンバーを送り出したし、柏はそういう応援ができるチーム。その雰囲気が優勝につながりました。

(先発を申し渡されて)緊張……していました(笑)。ずっと緊張していたんですけど、自分のなかでずっと、力まないでいこう、力まないで平常心でいこうと、言いつづけていました。ぐっすり寝たので初夢は見ていないです。

(試合前、近藤選手には?)勝ってくれ、頼むぞ、ということだけを言われました。

(ゴールの予感は?)ありました。前日から獲れる気がする……という感じです。獲れる気がする、いや、獲ってやろう、と。絶対ヒーローになる、という気持ちで(試合に)出ました。上がっていく場面はなかなかないんですけど、セットプレーでは必ず決めてやろうという気持ちで臨みました。

(J2の経験は活きている?)もちろんJ2にもレベルの高い選手はいるし、フォワードには外国人選手が多いので、スピードや1対1の部分で眼が慣れたということはあります。J2で学んだこともあると思います。

(試合に出られなかった時期はどうしていましたか?)絶対に気持ちを落とさないように、というのと。落ちている部分、辛い状況を面(おもて)に出さないで、常に前向きにプレーしようと、練習のときから思っていました。

(ネルシーニョ監督にはわかってしまう?)それもそうだし、自分も嫌なので。

(ボランチとディフェンスラインのあいだに入ってこられていたが、どういう対応を?)正直、(ガンバは)前に人数をかけてくるチームなので、受け渡しがけっこう難しかったんですけど、シンプルに、ベースはぼくとマスくん(増嶋竜也)でレアンドロを、前一枚を(自分たちディフェンス)二枚で見る感じで。ボランチはなるべく(マークを)受け渡して、落ちた選手を受け渡して。遠藤選手が上がってきたらぼくたち(ディフェンス)が見るようにしていました。

前半はちょっとうまくいかなかったんですけど、後半はうまく修正できたと思います。(自分たち柏の)ボランチは深めには下げさせないで、どちらかというとサイドバックを絞らせました。

(前半の水野晃樹→田中順也の交替に伴う変更について)守備がおさまる時間帯になるまで少し時間がかかったんですけど、まわされるのは最初からわかっていたこと。それに自分たちがどう対応するかということだけだったと思います。

前半、守備が落ち着いてきた頃に、それを自信に落ち着こう、とキャプテン(大谷秀和)が言ってくれた。それを自信に、守備の動きの連携をとろうと思っていました。

 決勝であっても、ぼくにとってはアピールの場だし、これからレイソルのセンターバックとして活躍したいという気持ちがすごく強いので、一番手として起用してもらえるように、セットプレーでもアピールしようと思っていました。

 優勝すればACLが必然的に見えてくる。試合を経験すればするほどチーム力も上がっていく。ことしはJリーグは優勝できなかったんですけど、前向きにACLを考えて、今日の勢いに乗って勝ちにいきたいですね。

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