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大学サッカーは実力に見合った評価が下されているか?(前編)

text by 後藤勝 photo by Masaru Goto

コンスタントにJリーガーを輩出している大学は20くらい

「Jリーガーを何人出したという点だけを取り上げられると、ではJリーガーを出せばいいのか? ということになりかねません。

だいたい400の大学があるのですけれど、Jリーガーをコンスタントに輩出している大学はそのうちの20です。プロ入りのポテンシャルを持った選手が行く大学はある程度絞られてきたということです。

プロに送り出すノウハウやコーチングが洗練された大学でないと。突然その準備ができていない大学に行ってもJリーガーにはなれないですし。わたしたちもそうですが、関東、関西にかぎらず、そういった(Jに送り出す)仕組みが整った大学は、おそらくこれからもJへとコンスタントに選手を輩出していきます。いまJ側にとってもユースの選手の進路は大学しかないわけですから、そこは持ちつ持たれつの関係で。

このプログラム(インカレ)の35%がJユース出身です。夏の総理大臣杯でもベスト8、ベスト4と勝ち上がる度に、(それらのチームの)Jユース(がメンバーに占める)率は上がっていきます。ベスト4から上は8割。力が上がってきているのは事実ですね」

──社会のインフラとして考えると、Jクラブや企業チームに比べて大学のサッカー部はなくなりにくいのでは?

「スポーツを経営の手段のひとつとして採っておられる大学もあり、少子化が進めば潰れてしまうこともあるので、絶対とは言えないですが。J2ほど脆弱ではないかもしれませんが、絶対とはいえない」

──プロがない時代は企業チームが日本のトップで、企業チームがない時代は大学が日本のトップでした。

「以前とは大学の見られ方も変わってきていると思います。協会もJも大学の成果をしっかりと受け止めてくださると思うので。Jリーグの発足から20年が経ち、われわれのほうからも少しずつ発信できるようになった。20年の節目を迎えてこのタイミングでわたしが技術委員長になったことにも、何か意味があるのだと思います。Jとどう向き合うか、日本協会の強化・育成という考え方に大学がどう関わっていくか。中心のほうに入っていかないといけない。言っていこうと思います」

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