国立決勝の価値が高まる
平成24年度 第61回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)は24日に準決勝を終え、いよいよ2013年1月6日に東京・国立競技場で開催されるファイナルを待つのみとなった。決勝戦は数多くのOBをサッカー界に輩出してきた関東地区第3代表の早稲田大学と、来季の牟田雄祐(名古屋グランパス)、清武功暉(サガン鳥栖)、岸田翔平(サガン鳥栖)を含め50人をJリーグに送り込んでいる九州地区第1代表の福岡大学との対決だ。今季の最後を迎えるにふさわしい顔合わせと言っていい。
二年前からJリーグの新人に於ける過半数を大学サッカー出身者が占めるようになり、そのタレントの豪華さから言えば、既にインカレは高校選手権を遙かに凌駕している。
Jユースを出たあと、トップチームに昇格しなかった選手は、大学サッカーに進む。四年間で鍛えられた才能のうち、毎年相当数がJリーグに流入するようになって久しい。流通経済大学がJリーグとKリーグに合わせて13人を送り出した2009年がひとつの潮目だったかもしれない。
まだ流通経済大学がJFLにいた頃、本来は1.5軍から2軍メンバーが出場していたところ、何かの拍子に1軍メンバーが出た場合、JFLのおとなは、たちまち大学生に勝てなくなってしまったものだ。Jリーガー予備軍を多数擁していること、日本代表やJクラブと練習試合を繰り返していることを考え合わせると、当時の流通経済大学および関東大学リーグ1部は最低でもJFL上位と同等以上、JFLからJ2クラブくらいのレベルにあったはずだ。天皇杯では明治大学がJ1にいたときのモンテディオ山形を撃破したこともある。
社会人サッカーがそうであるように、単純にJの下というのではない、異なる世界観を持つカテゴリーが大学サッカーなのではないだろうか。それでいてJ1と同じとは言わないまでも、近い実力がある──。
そしてその傾向はいまも変わらない。